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※ご編纂者さまへ 編纂したセットはお持ち帰り不可となっております。企画外での配布は厳禁です。
※ご利用者さまへ お題をご使用の際は当企画へのリンクをお願い致します。

同罪の月

コヨーテにきいてみろ
こざかしいまほろばよ
甘いのは愛がみせる夢
いざよう指先のこたえ

ふぞろいな謎

凍つる水天・雪解けを待て
インヘルノまでが遠いゆめ
ましらの教えを三つ唱えよ
三千世界に金烏は朽ちゆく

うつろな心をみせびらかして
ラプチャーの灯りが見えるか

終わりは小夜のとき
「何人殺せば英雄になれるの?」

no.144

R

2017/11/26



夜たち/聲/わたしの星

瑠璃も玻璃もひかりの群れ
肩甲骨にやどる天界
宝石みたいな鱗のひと
夜明けを出迎える極色夜行
だれもみていないほうの天秤
永遠なのにさみしいのはいけない

名づけられた光
残りぜんぶの夜の数
朝が来ないうちは永遠
インヘルノまでが遠いゆめ
泥の舟に花は積もるだろうか
明日もきみの呼吸を忘れた世界

瑠璃の天に火をともす
この身を燃やし続けるだけの蠍です

no.143

2017/11/26



誰かの左手が幕を引く

終末はあなたと共に
消えてくれたら抱き締めよう
さよならとバイバイどっちがいい?
まぼろしはきみが連れていった

にじむ透明をbleuと呼ぼうか
ナイトフライトに重力はいらない
硝子製のチョコレート
わたしを好きなままでいて
さびしいぼくらに雨が降る
魔法にかけられた

明け方の箱庭には君がいた
イナイ・イナイ・カレイド
詩人よ詩人、きみも踊ろう
天使たちの密会
瑠璃の天に火をともす

no.142

悧子

2017/11/26



夜長百選

たくさんの名前とひとつの心臓
神話に近しい人類史
VR鳥獣戯画
不等号さえなめらかにする
あと5秒あればの奇跡について
溶けて、消えて、溜息
駆け落ちの足跡
きみが騙ったえいえんというやつ
リトル リトル リトル
永遠なのにさみしいのはいけない
くすねたパンと敬虔なるたましい
また間違えて君を泣かせたのだった
どこにもない答えについて小一時間
細胞の隙間を這うあなた
波打ち際にひとつ詩篇が落ちてゐた
原稿用紙16枚分のお題
五十音とひとかけら
お隣埋まってます
記憶と同じ偽物
星詠みの奇形
来世はあたしに恋するよ
また、やってしまった
劣等星の十九光年
誠実さは敵を味方にする
金のカーテン
新月だからあなたが見えない
無色透明の草原
大人になりすぎた君は可愛い
宝石みたいな鱗のひと
箒は魔法を覚えてる
私の中の猛獣使い
上級妖怪の憂鬱
頭の中の不死のくに
幻想がどうして喋るの
うつむく角度がうつくしいひと
燐光から零れおちたおまえの眼差し
夕暮れ、ぽつり、なみだ
世界に透明なみずたまを描くだけのあなたです
小さじ一杯分の間違い探し
凍えるために存在したいよ
ひっくりかえる〜アニマル地獄変〜
明け方の箱庭には君がいた
不透明な瞼の向こうで
優しい人のせいで身動きが取れない
磨いたピカピカみんなに取られた
太陽で死んだ星
もうすこし、檸檬水の氷が融けたら
君は魔物になってしまえよ
幕間にこそ物語は進んでいるのです
だれもみていないほうの天秤
あれを火と呼んでいいのか悪いのか
世界を半周した手紙
(空白、そして溜息)
どうしてわたしをさみしくするの
もしこの好意が無重力なら
丁寧に折りたたむオーロラ
等質空間のふたり
見て、春はもう息をしている
名前はきみがつけるといい
ノックのじゅんばんをまちがえる
待ち人 来ない 諦めよ
その嘘はアカシアですかレンゲですか
あたしのゆるやかな自浄・刹那・きみのために散らばる
めそめそ瞑想
瑠璃色の共同体
"満月のミラーボール、会議室はダンスホール"
じっくりご賞味くださいな
少女の愛した魔物の話
どこにも行けない大喝采
永遠がきみのそばにあっても気づかないでいて
数式にて夜のあとさきを観測
東洋の魔犬
あの夜の月の食べ残し
魔物に生まれ変わるまでの200年
「不思議の国はもうないんだよ」
ロマンスに理解を示すのは悪魔の方さ
湖の精霊
ねないこ、わるいこ、おばけのこ
この世で一等いとしい歯型
あまりに眩しい朝だからおーいって君に手をふりたい
還りたいと願ったのは3000年ほど前のことです
金星にはひとりで行って
みんな幽霊になれる
灰かぶり猫、その献身
君の気持は85日
平行世界のエポニーヌ
おしまいの断片
さよならを今はゆわせて
冬が来て秋が喜ぶ
夜は私を駄目にする
とうとう月の海でうとうと
秋の空白を埋めるものたちへ
ありもしないふたりの融点
われわれは一対のけだものでしたので
死神が隠したかったいのち
わたしという夜を星ぼしが拭っていくのです
四つ数えておやすみなさい
物語はこれでおしまい
全ては貴方の掌の中
別れ際に振り向いてしまうのはあなたの事が愛しいから

no.141

夜長文庫

2017/11/26



恋するプリマドンナ/さよならと云わないで/きみのアルブレヒト

可憐に華麗に佳麗に
並行世界を駆け抜けろ

ぬくもりがあんなに恋しいなんて
ガラスの靴に口づけを
口先シャル・ウィ・ダンス

誰もいないダンスホール
抱き寄せるだけでかかる魔法
翼は溶けて地に落ちた
たとえこの身が滅びようとも

「振り返ってはいけないよ」

祈りは透明 願いは真白

これが恋だと言わぬのならば何が恋だと言いましょう

no.140

たらこ

2017/11/26



The Greatest Hits 『水 と 氷』/『MINAHI』1325-2340

水も氷もてのひらで違う色になる
水だ氷だわっしょいわっしょい
氷は水にお還りなさい
水の魔術師は氷に詠う
水氷華
水も氷も消えない町で
氷の心は水となる
水と氷は仲良しね、だってあんなに近くにいるんだもの
水氷は離れないふたり
氷と水の境界線
氷るこころも融けぬのならば水より深く沈めるのに
水も氷も混ぜれば一緒
水と氷、質量保存の法則について
水はいつしか氷となって私の運命を形成する
水氷と粋憑
水と氷で窒息死
水の優しさ氷のナイフ
水も氷も変わらない
水と氷を行ったり来たり
水の温度と氷の零度
水も滴るいい氷
沈む氷に溶けた水
もうすこし、檸檬水の氷が融けたら
みずごおり、おはなのしずく
みず、ひ、つち、こおりの世界
されど咎人は踊る、氷の龍の背、水のこいびと
H2Oが何をしたというのよ

オラクルの光波もみな火に呑まれた
たくみな秘密も真夜中に孵すの
たのしみなひ
みなひとり
みな火に宿る
皆、火の奴隷
みなひかれる鏡
誰もがみなひに還るから
こおりもみなもも融けるまで

no.139

2017/11/26



きみのうしろすがた鑑賞教室

やさしく撫でて事変
一途はずるくてこわい
ひとだかり、きみばかり
名前はきみがつけるといい
そのふた文字だけが貰えたら
レースペーパーの走り書き遺言
はじらいを添えて、いただきます

no.138

佐伯

2017/11/26



わたしという夜を星ぼしが拭っていくのです

忘れられなくて永遠になる
揺蕩いながら眠るかみさま
沈まない夜に琥珀糖の船団
とうとう月の海でうとうと
いじらしくゆれる夜の裾野
うたえない心膜に呼ばれて
夜明けを出迎える極色夜行
瑠璃も玻璃もひかりの群れ
お前の中の52ヘルツの鯨
本物の夜はきっとやさしい
色彩のなかで生まれた瑕疵
望遠鏡から欠けていくもの
知らない真綿を抱きしめる
眼底でまだわだかまる真秀
ぬかるむ透明の声を聞いて
群星たちの秘密のおはなし
つめたいままで終われない
丁寧に折りたたむオーロラ
いつかが溢れてしまいそう
くらくらする暗がりの星霜
呪われたがりのテラリウム
電話越しの声は月に似てる
掬われたいから透きとおる

no.137

蜷川

2017/11/26



よるグルト急行

真夜中の三半規管
ふたり渡り歩いた夜のこと
たどりつくのがはやすぎました

砂のばらが跡形もない

てのひらじゃすくえなかったことはあって
きみの腑で海と闇の違いを教えてくれ
ものおぼえのわるい心臓
灰になれるまでの百年

「こんばんは、よるのしはいしゃさん」
よるのうつくしさをきみにあげる

いじらしくゆれる夜の裾野
あの空の不夜城だけは諦めてください
わたしたち宇宙の傷からうまれたの

ほんとうはあなたのためにうまれたかった

まるでなんてことないための祈り
ふたりのよるの脆弱

no.136

YORU

2017/11/26



ぼくが何度もころした彼女の死体

お隣埋まってます
激情と集う燐光の糸
優しい嘘と夢の守り方
幸せ者になろうとしたの
いじらしくゆれる夜の裾野
みんな嘘つきな唇をもってる
泥中のきらめきなどに用はない
泣いてるあの子を抱きしめるすべ
紅差し指でなぞるだけのゆるしかた

no.135

佐伯

2017/11/26



羊の数じゃ眠れない


錆び付く心
あやまちつぶしてジャムにする
深夜0時、愛の国フランスにて
おやすみって笑うものよ

no.134

itsuka

2017/11/26



いつかの夜明けを待てない

空より高い夢をみる
最愛になれなかった夜
それが最高の死だとしても
僕が星空を盗んだ犯人です
幾千ものあさを殺してきみを救い続ける

−−−− ・−・− −−・−・ ・−・−−

no.133

佐伯

2017/11/26



悴む右手に貴方はいない

僕が星空を盗んだ犯人です

宇宙を掬うティースプーン
宝物は手の届くところへ
誰かが泣く夜誰かが笑う

悴む右手に貴方はいない

no.132

ほんだ

2017/11/26



seven days parallel world

遠き月原で
オラクルの光波もみな火に呑まれた
もうすこし、檸檬水の氷が融けたら
木枯らしの渦に抱かれて
金星にはひとりで行って
永久凍土に極楽をみる

夜は明日の焼け野が原

no.131

逢坂いちる

2017/11/26



おおげさだって見惚れてよ

尖った部分にまぶしたオーロラ
回遊する夜のこと
再演のおとしもの
ぼくをころしたスコーピオン

トリプルアイス・クリームソーダ・ナイト

ロマンスに理解を示すのは悪魔の方さ

no.130

YORU

2017/11/26



凱旋門に立つように

朝が来ないうちは永遠
リコリス味の恋
ガレット・デ・ロワに秘めた想い
トゲつき反省会
うつくしい輪廻転生のはなし
夜空を彩るポラリスがたより
長い旅でもあるまいし
文学の中で生きていたい
この夜はなみだの形をしていた

no.129

みさか

2017/11/26



きらめきの数値化

もう一度だけ私を食べて
二度とその口、利けないように
三万円の男
午前四時はこんなにも儚い
五線譜に月
蒼い六花
可愛い言葉の七変化

零に返して

no.128

抽斗

2017/11/26



両手に疎外感

そのふた文字だけが貰えたら
うそつきのなみだ
またそうやって泣いたふりをする
「君もそう思うだろう?ロリータ」
ごっこあそびの支配者
影が消えるその瞬間、
世界が終わるその前に
「諦めようか」「そうしましょう」
なぜなぜどうしてそんなに脆いの
あなただけなんてうそのこと
憂鬱な世界から抜け出そう
グレープの名残りに溺れそう
きらきらしてぱきぱきしてそれでも

虚しくなるだけならばもういっそ

no.127

抽斗

2017/11/26



サンドウィッチ・ハウスの備忘録

尖った部分にまぶしたオーロラ
この世で一等いとしい歯型
瞬きするたび恋をする
さんかく耳パレード
厚さ3センチの恋
最近の晩餐

もういちどはじめからどきどきしてみたい

no.126

2017/11/26



人生のサラダ

赤い靴、紅い口紅、朱い頬
固まるころに「おいしく」食べて

足もとの嘘はみずうみになっていた
上手く泳いで私を見つけて

あれを火と呼んでいいのか悪いのか
銃声はひとつ、獲物はふたつ

エスケープ・フロム・トーキョー・パラダイス
これが最期の人生だから

きみの目に何を落とせば伝えれば
愛と恋とを差し出されるのか

ありふれて・あふれかえって・とけこんで
わたしは、わたしは、わたしがきらい

リチウムで動くだろうか心臓は
ひどく楽しい贖罪の日々

「どおしても」
「振り返ってはいけないよ」
「次の世界に期待しようか」

さみし狩り
くじらの箱庭
不死の病
雨はやまない
三度目の春

no.125

水氷

2017/11/26



見え隠れしたスカートのすそ

哀狂しい

ふぞろいな謎
夢みるビスケット
可憐に華麗に佳麗に
昨日の夜は二人の秘密
文学の中で生きていたい
僕が星空を盗んだ犯人です
小声じゃないと出来ないはなし
きみの悲鳴は心地よすぎて困る
水も氷もてのひらで違う色になる

no.124

抽斗

2017/11/26



ふたりのよるの脆弱

ラララ夜の皮をかぶったわたしのセレナーデ
わたしという夜を星ぼしが拭っていくのです
どうしてわたしをさみしくするの
月は私の断頭台

新月だからあなたが見えない
ゆめもうつつもあなただけ
あなたの腕の中で眠る
終末はあなたと共に

きみの腑で海と闇の違いを教えてくれ
君の涙を掬ったらやさしさが跳ねた
午前0時不確かな君を待つより
きみを失うために歩いた

ふたりのよるの脆弱

no.123

2017/11/26



どうしてわたしをさみしくするの

さみし狩り
顔だけ好き
花図鑑先生

まぼろしはこ
ひかりの収奪
塵ひとつ星ひとつ
さよならしづらい

天使がずるした水曜日
ポルカドットぐすぐす
十のいましめを割った
聖母は目を背けて言った

どの光をえらんでも夜になる
花にけだものけだものには何
きみの怠惰で砂漠をつくるよ

尖った部分にまぶしたオーロラ
永遠なのにさみしいのはいけない
だってリボンでつくった橋だから

ナイトメア・ハピネス・シーサイド
4/4 プリズム(よんぶんのよんぷりずむ)
世界に透明なみずたまを描くだけのあなたです

no.122

奇なり

2017/11/26



芸術は網膜の内側から枯れてゆく

琥珀糖なら食べてあげられる
あのとき確かに棄てたもの
細胞の隙間を這うあなた
こざかしいまほろばよ
聖母の舌も赤いのか
回遊する夜のこと
君にゆめをみる
紫煙を燻らす
遠き月原で

no.121

岡野

2017/11/26



泥の舟に花は積もるだろうか

燐光から零れおちたおまえの眼差し
幻想がどうして喋るの
おしまいの断片
長い旅でもあるまいし
むすんでひらいて握り潰して
さよならに連れられて
泥の舟に花は積もるだろうか

no.120

蜷川

2017/11/26



硝子の子

頭上の星をひとつきみに帰す

眸と花と因果のはなし
ガラスの靴に口づけを

首をかしげて天秤を壊す

肩甲骨にやどる天界
あなたの腕の中で眠る

きみの腑で海と闇の違いを教えてくれ

そうですね、贖いになるかもしれませんね
足もとの嘘はみずうみになっていた

お星さまは枯れちゃったから

no.119

逢坂いちる

2017/11/26



棺桶

私の骨を煎じて飲んで
花の渇きにキス
最後の灯りを採っておいで

no.118

さわ

2017/11/26



終焉が日常だった日に

それが世界の望みなら
許されないから手をとった
世界が終わるその前に

燃ゆる貴方の影法師
覗き込めば信条の渦
熱あるかぎり薔薇になれぬ
その名が果てにあるのなら
ひかりをもたないこどもたち
とうに王冠は朽ちたから
神はなくとも火は灯る

くだらない日々に終止符を
等質空間のふたり
玉座が崩れる

さよならっていわなくてもわかるよ
おわりにひとつだけ足りないいろは

幸福になるための跡地

no.117

2017/11/26



わたしという或るひとつの証明

てまねきする期待のこと
nonsense・teenage・distance
ひどくしてよ冀▼望
ラインダンス・yocan・ひみつはフリルの奥に消えたの

no.116

2017/11/26



にばんめにうまれたきみの月

手を引いて深海まで連れて行って
楽園からの追放
すべての星はきみの眸のなか
月を見るより深い青
きみの視線の残光
残りぜんぶの夜の数
静かなこころが海の底で泣いている
ただしあなたが最後のひと

no.115

桜月

2017/11/25



人間やめました

星にも心臓がありまして
海の青さを知らぬまま冬
聖母は目を背けて言った
きみを失うために歩いた
溶ける覚悟もないくせに
夜の定義に星はいらない
文学の中で生きていたい

no.114

岡野

2017/11/25



模造惑星/ラボラトリ・アステロイド

還りたいと願ったのは3000年ほど前のことです

近付きすぎてはいけないの
絶え間なき水晶の海
シャンパーニュから金の粒
水の温度と氷の零度
灰の海できみを待つ
ヘリウムのソーサー、火の玉のカップ
仄火はやがて大樹を焼き尽くす
宇宙を掬うティースプーン
星は凍った心臓

すべて無にして

no.113

一星

2017/11/25



夢なら私が食い尽くしてしまったよ

夕方は君に会えない
この花はきっときみが好きになる
昼下がり君に問う
夏の残り香はもう消えた
朝焼けまでは繋いでて
墓標に口づけを

絵の中からさ、ぼくを救って
瞼にキスしておやすみなさい
迷い子の夜が泣いている
優しさに飼われたい

せめて貴方が泣かないように

塗り潰したのは私でした

no.112

2017/11/25



雨の日にさよならを

素直にごめんと言えたなら
目を細めてきゅっと笑って
君は借りてきた猫のよう
どうか、どうか
リメンバー・フィッシュ

世界から雨が消えた日に

no.111

2017/11/25



愛でも恋でも構わないけれど

うるさいくらいの君がいい
深夜の雨は心を冷やす
宝物は手の届くところへ
うそつきのなみだ
はちみつでは死ねない
たとえば世界に嘘をまぜたら
君がそこにいればいい

愛すべきすべての恋たちへ

これが恋だと言わぬのならば何が恋だと言いましょう

no.110

2017/11/25



今日のゆうはんはからあげでした。

吐息は雪色
微笑む君と微睡む日曜
私と並んで歩いて
ゆらゆら、ふらふら
見切り発車はいつものことさ
ぱくり、ぺろり、ごちそうさま

no.109

たらこ

2017/11/25



どれだけ夜を重ねたって構いませんから

夜と魔法が融け合うせいで
この夜はなみだの形をしていた
夜の定義に星はいらない
最愛になれなかった夜
星夜の名残

夜空を彩るポラリスがたより
真夜中の三半規管
回遊する夜のこと
ナイトフライトに重力はいらない

迷い子の夜が泣いている
夜ってあなたのまばたきより速いの
夜を涙で塗り替える
永久凍白の夜に咲く

あの夜の月の食べ残し
トリプルアイス・クリームソーダ・ナイト
今宵も素敵な大団円

夜に与える傷は特別
どの光をえらんでも夜になる
夜明けの感傷で殺してくれないか

あの不夜城だけは諦めてください

no.108

水氷

2017/11/25



少女の愛した魔物の話

星夜の名残
エンドロールはふたりだけ
小人もママもいないから

心臓は最後に取っておいてね

腐りかけが一番おいしい

「君もそう思うだろう?ロリータ」

もぐもぐ、ごっくん

少女の愛した魔物の話

no.107

ほんだ

2017/11/25



お菓子の世界史

チュロスはホットチョコレートと召し上がれ
ガレット・デ・ロワに秘めた想い
エッグタルトがこっちをみてる
美味しく食べてねヌストルテ
紅茶の隣にいるスコーン
正義のザッハトルテ
マカロンは悪くない
微睡みのブラウニー
ましゅまろのゆめ
愛に狂った桜餅
月餅の来た道
初恋サルミアッキ
夢みるビスケット
微笑むビスコッティ
フィナンシェの王国
星の代わりのこんぺとう
ゆっくりたべてね、お大福
ダークヒーロー・シュトレン
ひとりにしないでプリャーニク
甘い甘いお砂糖と輝く月で出来てるの

no.106

ほんだ

2017/11/25



よるの生き物図鑑

涙の数だけ挿絵を入れなよ
幾つもの夜を数え尽くした

まるで微光星を匿うような
ミッシングリンクの喪失
ありもしないふたりの融点
細胞の隙間を這うあなた
午前四時はこんなにも儚い
リメンバー・フィッシュ

凍ったよだかに会える宇宙
花とも海ともつかない概念

no.105

岡野

2017/11/25



六等星にもなれやしない

一等星より饒舌なひかり
遠き月原で

コピーキャットの憐憫
夜は至福と少しの寂しさ
凍えるための合図をください

誰もがみなひに還るから
祈りはかくしておきなさいね

玉兎が連れ往く月面航路
「星河からあの一粒を渫ってきて」

僕らの破片・星の屑
漆黒と群青の境目に消えゆく

no.104

R

2017/11/25



断片集

たとえば世界に嘘をまぜたら
私の骨を煎じて飲んで
カランとグラスにこぼす宝石
紅茶の隣にいるスコーン
前世で誓った永遠の途中
答え合わせは誰の仕事だ
赤い靴、紅い口紅、朱い頬
案外、どうにかなるかもね
ロマン病
私の時計で生きて
氷と水の境界線
平行世界のエポニーヌ

no.103

望月色

2017/11/24



DON’T DRINK ME

「どこにも行けないことを、靴のせいにするんじゃない」

時計の針は戻らない
湖水地方のうさぎを追って

霜降りのお月様がパンケーキ・キング
その嘘はアカシアですかレンゲですか
銀のフォークは好みではないのだ

バイブル・オブ・チェリーパイ第3章「まっくらやみ」

ティースプーンの先に渦巻く
合わせ鏡のドッペルゲンガー
足もとの嘘はみずうみになっていた

はちみつでは死ねない
女王様にワインを一杯

「だめよ、だって心臓が落っこちてしまうもの」

no.102

悧子

2017/11/24



明日を望む

雨はやまない
沈んでどぼんと海の底まで
たったいまからいないこと
這い上がって来なくていいから
コックロビンよ可愛く啼いて
流れ星よりお日様が好き
加護のない永遠
月に溺れる願い事
たとえこの身が滅びようとも

no.101

さわ

2017/11/24



涙の似合うあなた

小声じゃないと出来ないはなし

「ご覧?これが終末さ」

雨が降っても傘はささない
私の嫌いな女の匂い

夜を涙で塗り替える
遠くへ、遠くへ、届かぬ所へ

はちみつ味のキス
ごみ溜めの中でも愛してほしい

水氷は離れないふたり
残骸讃美歌

no.100

ほんだ

2017/11/24



/錯/乱/

涙の数だけ挿絵を入れなよ
胸から溢れるフォーゲット
月が北に傾く夜がこすれる
ラメ入りクリームシチュー
花つぶしたら頬にも塗って
空の靴箱で保っている均衡
去年から惑星の歯が美しい
セブンティーンオピニオン       
とおくへとおとくとおのく
今日のメテオールは準快速

no.99

すじゅ

2017/11/23



劇場通りのホテル あるいは金鍍金師

もう言葉遊びは終わりにしよう
鳴り止まないカーテンコール
許させてもくれない子ども

待ってたって君は来ない

ふたり渡り歩いた夜のこと
明け方はまだ眠っておいて
めをつむったらもういない子

幾つもの夜を数え尽くした
ふたりでいきるための天国

鳥籠に囚われたままでいて
夜と魔法が融け合うせいで
小さじ一杯分の間違い探し

「振り返ってはいけないよ」

指差す先にあの頃の君を想う
星の光は眼裏に焼きついている
まぼろしはきみが連れていった

迷うことなかれ、人の子よ

さよならっていわなくてもわかるよ
過ぎた季節に名前など与えるものか

「独りを選んだのは君だろう?」

あれを火と呼んでいいのか悪いのか
凍ったよだかに会える宇宙
翡翠にはあの子がいる
月明かりのドレープ
恒星のスコーピオ
君と花の都

眸と花と因果のはなし

インヘルノまでが遠いゆめ
肩甲骨にやどる天界

光芒とともに果てる

no.98

悧子

2017/11/23



愛しいを「かなしい」と読むひと

おしまいの作法
瞼の裏に接吻の跡
咎めるようなキスだった
やがてきみに奪われる約束
じわり、あなた、ずるい
はちみつ色のゆうれい
やわらかい心臓で寝たふりをする

no.97

佐伯

2017/11/23



よくもわるくも愛まみれ

愛は確かにあったけど
まさかこれを愛って呼ぶの
愛も心臓もまがい物
歪んでいく愛情
悪趣味な愛に乾杯
愛情というには程遠く
愛しちゃいない、でもここにいて
僕らに愛は似合わない

だから愛はつむげない

no.96

2017/11/23



落ちる音

心臓は最後に取っておいてね

利口なふりして高みの見物
こんな水じゃ酔えやしない
柔らかなあなた

微睡むような気配

きらきらしてばきばきしてそれでも
ゼロのジレンマ
裏側で祈る

秒読みの世界

まぶたに透ける光のいろ
極彩色はきみだけでいい
帰れないから連れて行って

惚れ見たことか

僕の心臓を食べて

no.95

逢坂いちる

2017/11/22



新訳「I LOVE YOU」

信仰さえ奪うのか
こんな私を見ないでほしい

嫌い、大嫌い
長年の白紙に君を綴る

少しも傷つけたくなかった
永遠がきみのそばにあっても気づかないでいて

あした死ぬかもって今キスしたい

no.94

イトセ

2017/11/22



知りすぎたハンサム

手のひらで、あるいはベッドで
ずっと隣で堪えていた笑みと相対
水も氷も変わらない
抱き寄せるだけでかかる魔法
またねの呪い
死神が隠したかったいのち
瞼の裏に接吻の跡
この心臓は紛い物
毒では死なない君に捧ぐ
あと二時間は帰さない

no.93

望月色

2017/11/22



カニバリズムは愛の果て

今から君のことを考えてあげようか
まぶたに血がついたらはじめよう
鼓動が泣き止むまで
アイは臓物に咲いた
固まるころに「おいしく」食べて
心臓は最後に取っておいてね

「君が先に殺したくせに」

リチウムで動くだろうか心臓は
ハッピーバースデイ、僕の生まれ変わる日

その薔薇を踏み抜くの

どうせ100年後にはみんな、星になってしまうのに

no.92

紗帆

2017/11/22



あしたの地球の色

跳ね回るふたご星の片割れ
世界の音を数えて
成層圏で待ってるからちょっと顔貸しな
擬態する星座をコラージュして
ひかりをもたないこどもたち
祈りが星になるなら
リチウムで動くだろうか心臓は

no.91

佐伯

2017/11/22



導火線 / 血の色をした謎は、

近づく足音、響く銃声
覗き込めば信条の渦
命の重さと角砂糖

ロマンチック・エラー
覚えたての嘘で殺して
真実はみせないで

たとえこの身が滅びようとも
涙を隠してしんぜましょう
臓器を犠牲に得た砂糖菓子
肌の窪みにおちる憎しみ

どんな罪も君とともに
運命共同体論
神はなくとも火は灯る

1000人殺した劇場作家
にばんめにおもいだす記憶があって
にじむ透明をbleuと呼ぼうか
せめて今は同じ時を生きよう

take・me・to・the ・higher

月だけが届かない訳じゃない
口移しの毒林檎
ラブレター フロム ビヨンド
0.1ミリの距離
互いのいのちを呑みこむ以上は

きみがこの世でしあわせになるための嘘

頭上の星をひとつきみに帰す
泣きたいくらいの深夜2時
騙されない愛されない赦されない
貫かれた鼓動を数えて

たくさんの名前とひとつの心臓

no.90

悧子

2017/11/22



五十音の星空

甘い病
いつかの極彩色
嘘つきは毒をも吐く
永遠に私のものよ
おやすみなんて言ってあげない

過激な愛情表現
君だけは許さないでいて
くだらない日々に終止符を
喧嘩するほどなんとやら
この心臓は紛い物

最低。大好き
深紅のドレスは引き裂いた
酸いも甘いも混ぜ込んで
せめて最期は君の瞳を
それなら今すぐ誓おうか

例え何処に居ようとも
ちぐはぐなあなた
月のうさぎも涙を流す
ティラミスに秘めた熱情
溶けて消えるも刻の内

泣いたりなんてしないから
2倍の愛情
ぬくもりを求めて手を伸ばす
「ねぇ、聞いてよナイトメア」
ノアの過ち

ハッピーエンドに未来はない
ひとりふたりと消えてゆく
触れる指先
並行世界を駆け抜けろ
仄火はやがて大樹を焼き尽くす

前なんて見えやしないじゃない
水も氷も混ぜれば一緒
村雨恋模様
メアリーの置手紙
「もう、だめね」

ヤマアラシのジレンマ
ユーラチカの夢物語
宵闇に消える

来世に期待していてね
リコリス味の恋
ルールも罰もあたし次第
レンズ一枚
浪漫の欠片も無い噺

私の知らない貴方がいるの
「嘘をついていましたの」
今夜だけは泣いてもいいよ

no.89

ほんだ

2017/11/22



おしろにすんでいる

吾輩は兎である
名前はきみがつけるといい

「王様だぁれだ」

無色透明の草原
よくもわるくも愛まみれ
やさしさってこうやって食べるの
文字の上のウォーカー
めをつむったらもういない子
まるでなんてことないための祈り
鍵穴がないから当然

ポルカドットぐすぐす
どの光をえらんでも夜になる
柔らかい孤独

no.88

いちか

2017/11/22



ミッドナイト・ヘブンズ・チューン

夜ってあなたのまばたきより速いの
僕の言語は君の乳房に敵わない
花とも海ともつかない概念
東奔西走越冬南バカンス
星より多く月より遠く
蝶々結びは得意なの
僕らは今更愛を囁く
無限から1を探す
夜のアウトライン
みな火に宿る
36℃の幻

no.87

2017/11/22



すべてを救っちゃ未来がない

創世のとき、うとうとしてた
因果のいばらで冠をつくれば
天使よりもはやく悪魔になる

あなたがわたしをけさないで
一生一緒にかわいそうでいる
合わせ鏡のドッペルゲンガー

すべてを救っちゃ未来がない

no.86

2017/11/22



自己嫌悪 00:03発<暗闇>→自己肯定 23:02着<月光>

「次の世界に期待しようか」

死に損ないのラスアルグル
そんなんだから息ができない
撃ち抜かれては、のた打ち回る
いちばんじゃなくてもいいよ
幻想がどうして喋るの
魔法は爪先がとなえる
午後のうたたね
宇宙飛行士にはなれないけれど
不等号さえなめらかにする
明日の私から、昨日の私へ
この夜は不安なくらいでちょうどいい

「まるで別世界ね」

no.85

2017/11/22



止まって離れて近づいて

魂まで喰らい尽くせ
かみさまがゆるさない

君だけが要らない世界
吐き気がするほど美しい
上品な罵り
大嫌いな君に向ける花束

ぬくもりを求めて手を伸ばす

うつつもままならない
好きになれるまでの距離

これが最期の人生だから
終末一緒にダンスを踊ろう

「寓話のような人生だったわ」

僕らは今更愛を囁く
エンドロールはふたりだけ

no.84

ほんだ

2017/11/22



雨はやまない

始まりは偶然にして奇怪
今宵は星が奇麗に見える

この心臓は紛い物
あなたに影を残す

水の優しさ氷のナイフ
水も氷も変わらない

またそうやって泣いたふりをする

喧嘩するほどなんとやら
僕らに愛は似合わない
殺し合いぐらいが丁度良い

「次の世界に期待しようか」

雨はやまない

no.83

ほんだ

2017/11/22



さよならアンタレス

「隠し事をしていましたの」

水も氷も混ぜれば一緒
やがて私は地球を融かす

優しいキスで殺してほしい
友愛カニバリズム
恐ろしくも甘美な君の毒

0.1ミリの距離
触れるだけでは足りないよ

ハンプティダンプティにはなりたくない

つよくぎゅっと抱きしめて
大粒の涙を溜めたグラス
グッバイレディ

no.82

ほんだ

2017/11/22



今に過ぐ

明日あたしが死ぬときは
どうか笑って看取ってほしい

赤い靴、紅い口紅、朱い頬
それは天国まで持っていけないよ

ここは3431号室
脆弱が棲まうへや

手のひらで、あるいはベッドで
ゆっくり消えていきましょう

「奇跡なんていらないよ」
いつか、なんかいらなかった

わたしなんてさ、捨て去って
問答無用に切り捨てて

こんな私を見ないでほしい
泡になって溶けてしまえ

くだらない日々に終止符を
ほんとうはあなたのためにうまれたかった
ハッピーバースデイ、僕の生まれ変わる日


「寓話のような人生だったわ」

no.81

さわ

2017/11/21



結末は神のみぞ知る

迂闊に恋をするべからず

「ですから、私を好きになってはいけないと、あれ程申し上げたでしょう?」

指先に接吻
爪先にキスを

世界が燃える

触れ合う肌が、髪が、唇が、すべてが好きだと言っている
お願い、どうか

悪いことなど何もない
酸いも甘いも混ぜ込んで

愛情というには程遠く
見様見真似の恋愛譚

no.80

ほんだ

2017/11/21



煎じれば百の善

眸と花と因果のはなし

ふたりのアルコア
爪と肉のあいだに棲む虫よ
泣きたくなっても、僕の肩は貸してあげない
あれを火と呼んでいいのか悪いのか
僕の言語は君の乳房に敵わない
ありもしないふたりの融点

光とはつまりかたちを持たない劣等

ふたりでいきるための天国
リチウムで動くだろうか心臓は
きみの不運を標本に留めたのはだれ
未だきみに出会ってすらいないわたしの生涯
完璧で不完全なばらだから
春にきみを待つよ

灰になれるまでの百年

no.79

栗城

2017/11/21



大団円には程遠い

物語はこれでおしまい

王子様のキスはない
甘美なる裏切り

独りぼっちで泣いた夜
近づく足音、響く銃声

ゼロ距離から狙い撃ち
この心臓は紛い物

命の重さと角砂糖
エンドロールはふたりだけ

ユーラチカの夢物語

no.78

ほんだ

2017/11/21



マルスの蛇

「誰をかもをも殺してしまった」

迷い子たちの舞台劇
夢を見れない羊たち

加護のない永遠
暗闇賛美歌
優しいゆりかご

因果のいばらで冠をつくれば
おやすみなさいで始まる童話

「ねぇ、聞いてよナイトメア」

no.77

悧子

2017/11/21



明日の天気

まばたきする木漏れ日
まぶたに透ける光のいろ
拍動するきみだけ

ありもしないふたりの融点
あなたの面影があるうちは
半透明なのに騙される

残滓の光芒
したためればあたためられなかった理由も許せる
それでも永遠が退屈なので

こごえるために
今年は誰のための冬になろうか
ゆっくり消えていきましょう

ありふれて・あふれかえって・とけこんで

no.76

蜷川

2017/11/21



禍つ泥

だます(ための・だけの・ゆえの)正統性
神様がぜんぶわるくて君はいらない
いかにして彼の悪辣を煮付けるか
のろわれなくてもあいしている
生き恥をくべて血を燃やせ
咎人に降るゆめ

愛し子のデルタ
殺し合いぐらいが丁度良い
リチウムで動くだろうか心臓は
ほむらがおまえをやきつくすまで
あなたが正しい、ただそれだけの事
ハッピーバースデイ、僕の生まれ変わる日

no.75

岡野

2017/11/21



R15Gの予告

東奔西走越冬南バカンス

塵ひとつ星ひとつ
最果ては花ざかり

ペトリコールに紛れる

ルーザーズ、ここはあの日の夏だよ。さあどうする?ぼくらは何を手に入れられる?おかした罪、ゆるされるだけの罰、すきを壊したまじない、あの子の口についたストロベリー・ソース、ねえどうする?ねえ、どれがいい?

no.74

ざらめ

2017/11/21



けものみち

コヨーテにきいてみろ

文字の上のウォーカー
おまえは宿る腹を間違えた幼獣
ぺたりぺたりと這い寄るもの

はぐれて地球
金星にはひとりで行って
トリプルアイス・クリームソーダ・ナイト
やがては流星群になるの

眸と花と因果のはなし
うさぎときつねとねずみとそれから
おいしいにせもののクッキー

ゆらゆら、ふらふら
ひかっているからやさしくできない

ふやける心音
極稀にある、普通の咄
不等号さえなめらかにする
ハイエナの血流を止めて

すみやかに透明に突然に
SOS from you?
今から君のことを考えてあげようか

no.73

ざらめ

2017/11/21



7th Heaven

悪魔と駆け落ち
捧げる生贄は君
狂気を看取って
墓標に口づけを
騙されてあげる
お願い、どうか
跪いて誓ってよ

no.72

2017/11/21



御伽噺は甘くない

月に手紙を送る夜
僕が僕とは限らない
夢喰い人

「ねぇ、聞いてよナイトメア」

まどろみの中に消えゆく
ぺたりぺたりと這い寄るもの
あきらめて一人で死んで

「まるで地獄ね」

夢を見れない羊たち
硝子のお靴は似合わない
ベラスネーシュカの吐いた嘘

no.71

ほんだ

2017/11/21



ピリオド帝国 VS 句読点朝廷

「火蓋は切って落とされた」

だます(ための・だけの・ゆえの)正統性
やさしさが向かう先、花は折らない、虫は殺す

ロンリー・ラブシック・キラー
そうね、少なくとも、あなたはね

ありふれて・あふれかえって・とけこんで
追いかけて、見捨てて、忘れ去って

jelly・アノニマス・だめだよ
からん、ころん、からころり

愛情・同情・みじんぎり
ぱくり、ぺろり、ごちそうさま

「奇跡なんていらないよ」
「いったい何を言っているんだい?」

イミテーション・フォー・ユー
ダージリン・ヘイト・クライム
ブルー・ベリー・シー

「諦めようか」「そうしましょう」

no.70

2017/11/21



ある夜のための譚詩曲

祈りの通ずる星があるとして
この夜は不安なくらいでちょうどいい
泣いたりなんてしないから
近づけばできる話をしよう

「溺れた先には何があるの?」
「さぁ?私は知らないわ」

例え何処に居ようとも
酸いも甘いも混ぜ込んで
ほどけないように結んでおいて

ただしい愛し方なんてないけれど
あなたの憂いの理由になりたい

no.69

K

2017/11/21



白い音楽

真夜中の三半規管
はぐれて地球
古典的水晶
少しも傷つけたくなかった
夢を見るような角度
金のカーテン
4/4 プリズム(よんぶんのよんぷりずむ)

no.68

紫江野

2017/11/21



さよならばかりが口にあまい

永遠なんて不安になるだけ
指輪の証明
ニガヨモギを喰む
星々の夜明けまで
ラブレター フロム ビヨンド
灰の海できみを待つ
永遠はきみにはきっとやさしい爪痕

no.67

2017/11/20



2015.11 - Lily

きらきら星に手を添えて
月に手紙を送る夜
愛を捧げる

no.66

川の

2017/11/20



星辰の書 試訳

太陽からきみを隠すエチュード
ひとつめの嘘、みっつの真実
夜空を彩るポラリスがたより

さようならネオンが月を染めるころ

月宮に帰れるはずだった
地を這う天使の紛い物
ブリキの心臓を叩いて

墓標に口づけを
夜を駆るけもの
亡者の行進

焼き尽くし、行かん、地獄の園

鉛の心臓
撃ち抜く銃弾
空へ落ちよ英雄

さすれば真実を餌にせよ
あなたの罰のためにゆるす
インクのかわりに流星雨

「もしもの話をしていいかい?」

祈りの通ずる星があるとして
足は折りなさい手は祈りなさい
この身を燃やし続けるだけの蠍です

永遠がきみのそばにあっても気づかないでいて

no.65

悧子

2017/11/20



今度は向こう側で待つよ

午前0時不確かな君を待つより
優しい夢を見させておくれ

今夜だけは泣いてもいいよ
お星さまは枯れちゃったから
惜しみなく殺しておくれ

独りぼっち同士の恋
キスで解けるは呪いの魔法
どうにもおかしな幸せ話
やがて腐る想いなら
恋心も一緒に燃やしておくれ

no.64

2017/11/20



およそ72センチの逡巡

鼓動が泣き止むまで
愛することはできるけど
恋するためのハードルが高い
君の後ろで笑っていたいから
貴方が私をだめにする
ずっとあなたしか好きではないのよ

no.63

K

2017/11/20



輪廻転生

ラプチャーの明かりが見えるか
かつては同じ方向を向いていたのに
にばんめにおもいだす記憶があって
テディーベアを君に捧げる
ルールも情けも無用の刃
ばれても嘘でも何か言わなきゃ
やがて私は地球を融かす
「すべてを叶えてみせませう」
ウサギ・ギリギリ・リンゴ・ゴリラ

no.62

2017/11/20



記憶と同じ偽物

いつまでこの魔物を抱えていればいい
くすねたパンと敬虔なるたましい
ばらの色で肌は冷めてしまったね
薬指の拝受
かの別れの美味を識る

覗き込めば信条の渦
ロマンチック・エラー
祈りが星になるなら
おまえは燃ゆる海のごとく

きみの視線の残光
見知らぬ夜の傍観者
二番目こそあなたにふさわしい
さみしいふたりの四季をなぞって
最愛になれなかった夜
幻想がどうして喋るの
ただしいきみに永遠はいらない

あの夏ぼくは確かに「いくばくかの呪いをきみに捧げた」すくなくともきみを赦した あの夏 ぼくらはいくばくか愛しあった 無機のまやかしの中

あなたしかいないのに あなたさえいなければ

幸福になるための跡地
この夜はなみだの形をしていた
はてなき孤独の海に


記憶と同じ偽物

no.61

2017/11/20



好奇心で猫をも殺してみせましょう

明日の私から、昨日の私へ

夜は明日の焼け野が原
つまらない映画みたいな深夜2時
さようならネオンが月を染めるころ
あなたのもってきたシュレディンガー
ゴリラさがしに

ハンプティダンプティにはなりたくない

no.60

R

2017/11/19



寓話

この夜は不安なくらいでちょうどいい

めでたしなんかじゃ終わらない
もうじき夜が明けるから
消えてくれたら抱き締めよう
跪いて誓ってよ

愛を語るには遅すぎた
その名を呼んではいけないよ

no.59

R

2017/11/19



君についての考察のいちぶ

さよならを煮込むひと
黒鍵にさわれないひと
前世で膵臓だったひと
宝石みたいな鱗のひと
写真にはうつらぬひと

no.58

すじゅ

2017/11/19



銃声

地獄の底まで共に歩もうか
有限を真に受けてはいけないよ
うつむく角度がうつくしいひと
世界はふたりに優しくない
いつかみんな骨になる
ガニュメデスはいってしまった

無呼吸依存症
根も葉も蜜も
お前以外の運命を許さない
月をほろぼす夢
楽園からの追放
ぬくもりを剥がした肌色には
息のはざまに遺言書
正しくなくともきみが正解

貴方が私をだめにする
ノックのじゅんばんをまちがえる
夜は明日の焼け野が原
瑠璃色に至らない
哀しみをくれてやる
ラプチャーの明かりが見えるか

わざと違えたレッテルの話
絶え間なき水晶の海
心臓が赤いうちは
春にきみを待つよ
愛も心臓もまがい物
ナウゼリンの告白
互いのいのちを呑みこむ以上は
二番目こそあなたにふさわしい

かみさまはもういない
ばらの色で肌は冷めてしまったね
私を不幸にしてください
0.1ミリの距離
手向けた星の並び

近づけばできる話をしよう
いつまでこの魔物を抱えていればいい
さよならを今はゆわせて
何もかもをも忘れてさ
ほむらがおまえをやきつくすまで
覗き込めば信条の渦
惜しみなく殺しておくれ
とまると溺れてしまうから
死は平等に訪れる
天使よりもはやく悪魔になる

凍てついた夜が襲う
きみの視線の残光
手を繋いで飛び降りて
今日が住みついた部屋
まるで微光星を匿うような
終末論 in ベッドルーム
たとえ話が終わるころ

no.57

悧子

2017/11/19



救いであれ、そうでないものであれ

手を引いて深海まで連れて行って
あのねが言えない夜ばかり
壊れた再生ボタン
夜汽車が吠える約束の時
極彩色はきみだけでいい

no.56

R

2017/11/19



じゅうにつきの憂鬱に溺れる

レンズ一枚
幻想がどうして喋るの
最果ては花ざかり
いつかみんな骨になる
わんつーさんしで飛び込んで

熱あるかぎり薔薇になれぬ
リチウムで動くだろうか心臓は
泳げないから月も見れない
メトロポリタン・フィッティングルーム
あなたは誰になりたいの

だってリボンでつくった橋だから
それよりあなたと踊りたい

no.55

香雲

2017/11/19



「かわいいものできずつきたいでしょ?」

テディーベアを君に捧げる
「わたしだけがゆるされればいい」
ファーストキスは海の味

甘いパンケーキに垂らした嘘

かわいい盛りの悪童ちゃん
heart break shooting star
だめなの あなたは 王様じゃ ないの

愛も心臓もまがい物
ドーナッツの真ん中のような人生
臓器を犠牲に得た砂糖菓子

ラブレター・コンシェルジュの休日

no.54

冬子

2017/11/19



永久凍土で死ねないわたしたち、幸い

さようならって、もうわらわないということだよ
手を引いて深海まで連れて行って
灰になれるまでの百年
存在のない宝石箱
未だきみに出会ってすらいないわたしの生涯
古典的水晶
世界はふたりに優しくない

凍えるために存在したいよ
トリプルアイス・クリームソーダ・ナイト

no.53

冬子

2017/11/19



エンドロールと泣かない世界

むすんでひらいて握り潰して
煎じれば百の善
ひとつめの嘘、みっつの真実
ふたりでいきるための天国

その名が果てにあるのなら
「言ってよ、僕だけが好きだって」

ただしいきみに永遠はいらない
「諦めようか」「そうしましょう」
今度こそ最後の夜

no.52

2017/11/19



黄金製造人 / 起て、死者たちよ

そうしてふたりはしあわせになりましたとさ

木彫りの心臓
咎人に降るゆめ
無限から1を探す
保つ為のリブレット

まぶたに血がついたらはじめよう

臓器を犠牲に得た砂糖菓子
結晶の花束と忘却の園
背表紙に満月の跡

なぜなぜどうしてそんなに脆いの

傷口にアネモネ
頭の中の不死のくに
甘い話はお嫌いでしたか
海よお前の悲鳴はとどかない

シャンパーニュから金の粒

灰になれるまでの百年
愛し子のデルタ
一夜城で眠る
錠の合図

パラダイム・ロスト
「こんな夢をみた」

幾千ものあさを殺してきみを救い続ける

no.51

悧子

2017/11/19



その赤い糸でわたしの首を括って

眸と花と因果のはなし
だってリボンでつくった橋だから
ふさわしい萼であるために
いつまでこの魔物を抱えていればいい
あなたしかいないのに あなたさえいなければ
そうなる前に迎えに来てよ

no.50

佐伯

2017/11/19



Thus,love is born.

ガラスの靴に口づけを
ハンプティダンプティにはなりたくない

泡になって溶けてしまえ
溺れる覚悟もないくせに

甘い病
君の手で僕を葬って

1000年物の恋心

「隠し事をしていましたの」

no.49

ほんだ

2017/11/19



群青の影たち

私を不幸にしてください
月を見るより深い青
沈没船の女神

深夜の約束
祈り折々
救済の沈黙

ふやける心音
宛先のない慕情
金星にはひとりで行って

no.48

2017/11/19



Shall We Dance?

何もかもをも忘れてさ
踊り狂ってほしいだけ
寂しい思いはさせないからさ
だから、私と今夜だけ

no.47

ほんだ

2017/11/19



狐とキツネの化かし合い

「私は嘘吐きです」
騙されてあげる
思い通りになるからきらい
嘘が舌先をおよいでいるよ
お月さまだけには教えてあげる

「隠し事をしていましたの」

no.46

さわ

2017/11/19



2002年のリリック

フォーン・ブースを知らぬ子ら
僕の言語は君の乳房に敵わない
むすんでひらいて握り潰して
雨が爪弾くメロディー
ようやく嫌い同士分かり合えたね
ハッピーバースデイ、僕の生まれ変わる日
眠らせてくれない羊たちに捧ぐ

no.45

イトセ

2017/11/19



ジャンヌの慟哭

勝てば君は正義なんだよ

「何人殺せば英雄になれるの?」

その名が果てにあるのなら
だって、そんな世界
はじめましての断罪

no.44

さわ

2017/11/19



野ばらの肌

癇癪持ちの僕の百合
天使よりもはやく悪魔になる
いじわるをもっとちょうだい
思い通りになるからきらい
嫌い嫌いのピリオドが好き
初めての恋なのでお手柔らかに
はじらいを添えて、いただきます

no.43

イトセ

2017/11/19



素数ばかりが泣きますけども

そんな綺麗なもので固めないでおくれ
数式にて夜のあとさきを観測

心臓を食べる真似をした悪魔
やがて私は地球を融かす
神話に頬寄せ

どの光をえらんでも夜になる
もうきっとあなたのことしか祈れない

no.42

水氷

2017/11/19



ねごと

ノックのじゅんばんをまちがえる
だめなの あなたは 王様じゃ ないの
愛はちょっと手に負えません
さよならっていわなくてもわかるよ
名前はきみがつけるといい

no.41

蜷川

2017/11/19



ゴリラ・ゴリラ・ゴリラの憂鬱

うつむく角度がうつくしいひと
あの子の睫毛にはもう 届かないけれど
むすんでひらいて握り潰して
愛はちょっと手に負えません
こう見えて冷え症なんだ
雑踏に消える
僕の言語は君の乳房に敵わない
勝てば君は正義なんだよ

no.40

望月色

2017/11/19



「たべて」

どこに触れても忘れられない
散りばめた星をふちどる指先
月とか羽とかが重なる
スノーウィー・カルテット
あなたはせつない貌を覚えたての獣

no.39

2017/11/19



だいすきなあなた いらないあなた

吐息に触れて錆びる指
ぬくもりを剥がした肌色には
今日が住み着いた部屋

あなたしかいないのに あなたさえいなければ

わたしにはあなたがある。

no.38

たらこ

2017/11/19



18 THE MOON

「君は最初からひとりぼっちじゃないか」

全ては正義から始まった
裏切りの足音を知っているか
あと5秒あればの奇跡について
左手では月にとどかない

編纂する過去

つまらない映画みたいな深夜2時
また間違えて君を泣かせたのだった

あなたしかいないのに あなたさえいなければ

零とともにすべて
月を見るより深い青
まぶたに透ける光のいろ
嘘の甘みが失われるころ
真実の赤い果実
青の最果て

ただしいきみに永遠はいらない
地獄の底まで共に歩もうか

愛しちゃいない、でもここにいて

no.37

悧子

2017/11/19



愛がかなしむところには何も及ばない

どの光をえらんでも夜になる
ばれても嘘でも何か言わなきゃ

「無い物ねだりはもうやめだ」

正しくなくともきみが正解

「何人殺せば英雄になれるの?」

すみやかに透明に突然に
消えてくれたら抱き締めよう

no.36

逢坂いちる

2017/11/19



ぼくはくま、だったんだ

やさしさってこうやって食べるの
にばんめにおもいだす記憶があって
つよくぎゅっと抱きしめて

ハッピーバースデイ、僕の生まれ変わる日

no.35

詠美

2017/11/19



あいのめいろ

あなたしかいないのに あなたさえいなければ
したたかさから生まれた弱さです
愛しちゃいない、でもここにいて
二番目こそあなたにふさわしい
あたためるからつめたいままでいて
いざよう指先のこたえ
もうきっとあなたのことしか祈れない

no.34

イトセ

2017/11/19



バッドエンドロール

過ぎた季節に名前など与えるものか
うつむく角度がうつくしいひと
私を不幸にしてください
椿の喉越し
塵ひとつ星ひとつ
金星にはひとりで行って

no.33

二水

2017/11/19



からっぽ女の意地

生き恥をくべて血を燃やせ
耳鳴りがアンコール
なぜなぜどうしてそんなに脆いの
ドーナッツの真ん中のような人生
ルールも情けも無用の刃
「君は最初からひとりぼっちじゃないか」
痛くてもそれじゃ泣けない齢29
賭けもしなけりゃ引きもしない
空はあんなにも高いのに
どうぞどうぞの椅子に座る
だれかの都合ではじまる歯車

no.32

2017/11/19



溺れる息遣い

ふやける心音
過呼吸に棲む群れ
透明な温度
塵ひとつ星ひとつ
帰れないから連れて行って
まっさらな楽園、神様がいなくなってそのまま

no.31

蜷川

2017/11/19



神さまの食卓

毒では死なない君に捧ぐ
ひかりをもたないこどもたち
おいしいにせもののクッキー
流れ星よりお日様が好き

no.30

二水

2017/11/19



深海の呼吸

はてなき孤独の海に
不透明な瞼の向こうで
青の最果て
くじらがうたった蜃気楼
とまると溺れてしまうから

no.29

神居

2017/11/19



物語の裏側で

月の裏側で君を待つ
迷い子たちの舞台劇
空へ落ちよ英雄
月からの使者
だれかの都合ではじまる歯車
ふたり渡り歩いた夜のこと
世界が終わるその前に
最後の海
いつかのどこかで

「あぁ、おわってしまうのね」
「ええ、満足だわ」

no.28

2017/11/19



天蓋宮

「あぁ、おわってしまうのね」
文字の上のウォーカー
ブリキの心臓を叩いて
明け方の箱庭には君がいた
夜ってあなたのまばたきより速いの
ドラマチックは底にある
夢を見るような角度

アーニャの空想物語

no.27

一星

2017/11/19



誰も知らないはなし

許されないから手をとった
小さくなれぬ果てのわたし
あなたと私の備忘録
明け方の箱庭には君がいた
帰れないから連れて行って

ふたりでいきるための天国
かみさまはもういない

no.26

伊織

2017/11/18



待ち望まない夜明け

雨の終わりが縁の切れ目
どこに触れても忘れられない
光とはつまりかたちを持たない劣等
宵々、唄えよ

no.25

神居

2017/11/18



あなたの欠片集めても

甘い話はお嫌いでしたか
全ては正義から始まった
きらきら星に手を添えて
頭の中の不死のくに
青よりも灰、灰よりも透明
裏切りの足音を知っているか
行方知れずの嘘つき
左手では月にとどかない
無限から1を探す
嘘吐きなら約束くらいできるでしょうに
ハッピーバースデイ、僕の生まれ変わる日
幕間にこそ物語は進んでいるのです

no.24

望月色

2017/11/18



恋の埋葬屋

初めましての断罪
よくもわるくも愛まみれ
すべては正義から始まった
消えてくれたら抱きしめよう

恋で死なない可哀想な魔物

no.23

佐伯

2017/11/18



かわいい恋にほど遠い

やわらかな月の故事
まぶたの向こうに冬が来てる
みどりのけだもの
つよくぎゅっと抱きしめて

no.22

2017/11/18



愛されたかったでしょう?

あなたしかいないのに あなたさえいなければ
いざよう指先のこたえ
さよならだったらどんなに良かっただろうね
レースペーパーの懺悔は黙々と続く
たとえ話が終わるころ
かつては同じ方向を向いていたのに
たとえこの身が滅びようとも

no.21

2017/11/18



鳥になれなかった君へ

最果ては花ざかり
左手では月にとどかない
鍵穴がないから当然
帰れないから連れて行って
明け方の箱庭には君がいた

吾輩は兎である

no.20

二水

2017/11/18



仔猫座

エフェメラル代わりのリボン
はちみつ色のゆうれい
月にかかるばらいろの禍
あなたのもってきたシュレディンガー
永遠はきみにはきっとやさしい爪痕
ホットミルクはもう冷めた
したたかさから生まれた弱さです

幕間にこそ物語は進んでいるのです

no.19

悧子

2017/11/18



悲鳴に似た純情ごっこ

やさしさってこうやって食べるの
ふたりでいきるための天国
美しくない体にも愛が宿る
癇癪持ちの僕の百合

no.18

佐伯

2017/11/18



ずっと遠くにいたかっただけ

ホットミルクはもう冷めた
路線図には乗らない街で
きみの視線の残光
天使たちの密会
正しくなくともきみが正解

no.17

瑠藤

2017/11/18



わがままな二人

「どこ行くのってゆって」
「どこにも行けないことを、靴のせいにするんじゃない」

「君が先に殺したくせに」
「君は最初からひとりぼっちじゃないか」

「言ってよ、僕だけが好きだって」
「無い物ねだりはもうやめだ」

「わたしだけがゆるされればいい」

no.16

イトセ

2017/11/18



温度の無い日々

氷柱となるにはまだ温い
星と約束した水曜日
灰の海できみを待つ

no.15

2017/11/18



ひととゆめは

回遊する夜のこと
36℃の幻
夢をみる鯨
神はなくとも火は灯る
ひとり夜にはべる

no.14

2017/11/18



二輪華に乗って

極彩色はきみだけでいい
見知らぬ夜の傍観者
無限から1を探す
共有する花

no.13

二水

2017/11/18



凍傷する回遊彗星

宝石みたいな鱗のひと
自然神纏う寵愛のヴェール
明日が雨降りだったら、それを言うよ
凍てついた夜が襲う
散りばめた星をふちどる指先
あの娘の涙と海原
消えてくれたら抱き締めよう

「ええ、満足だわ」

no.12

一星

2017/11/18



あなたは私で可哀想

ひかっているからやさしくできない
あと5秒あればの奇跡について
二番目こそあなたにふさわしい
ごみ溜めのワルツ
うつろな心をみせびらかして
イナイ・イナイ・カレイド
名前はきみがつけるといい
ひとり夜にはべる
もう3回ほど信じたままです
嘘の甘みが失われるころ
光とはつまりかたちを持たない劣等

no.11

2017/11/18



恋の話はもういいの

擬態する星座をコラージュして
くすねたパンと敬虔なるたましい
発光するルービックキューブルーム
ブルー・ベリー・シー

no.10

香雲

2017/11/18



ひとつぶのゆめ

もうきっとあなたのことしか祈れない
近づけばできる話をしよう
はちみつ色のゆうれい
夜の処方箋

no.9

二水

2017/11/18



ここにはいない誰かの話

真夜中の三半規管
寂しがり屋の苔達へ
イナイ・イナイ・カレイド
36℃の幻
行方知れずの嘘つき
そこからはあなたのせい
今度こそ最後の夜

no.8

イトセ

2017/11/18



私はラストにいたくない

名前はきみがつけるといい
心を殺したこともないくせに
嘘の甘みが失われるころ
そこからはあなたのせい

no.7

水氷

2017/11/18



遠く離れてしまうほど美しい

蛍光色の世界
燃え燦めく幸い
五十音とひとかけら
金星にはひとりで行って

no.6

R

2017/11/18



聖人の魚

回遊する夜のこと
おまえは燃ゆる海のごとく
ふたりでいきるための天国
幸福な齟齬
完成された妄想
ある程度の愛情と狂気
共有する花
記憶と同じ偽物
等質空間のふたり
瑠璃色に至らない

no.5

2017/11/18



窓辺

じわり、あなた、ずるい
祈りの通ずる星があるとして
正しくなくともきみが正解

no.4

みさか

2017/11/18



ずっとだいすき

あの子の涙は宝石になる
ルカの夢幻パレット
リズミカルに翻弄して
無限から1を探す

no.3

みさか

2017/11/18



ねむりたい国のひと

ばれても嘘でも何か言わなきゃ
どこに触れても忘れられない
月とか羽とかが重なる
真夜中の三半規管
今から君のことを考えてあげようか

no.2

蜷川

2017/11/18



夜間郵便

夜空を彩るポラリスがたより
長い旅でもあるまいし
灯の真下の文字の色
ねむりたい書庫

no.1

望月色

2017/11/18



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