水氷

さんざん吐息で酔わせたくせに
切っ先を愛に見立てないで
ゆるく乳化した涙です
目尻には二等星を
水割りの羨望
じゃあね

栗城

だれがひみつをころしたの

伊緒

すべてを飲み込んだような色
寂しい夜に似合いの風味
苦い思い出も今ならきっと飲み込めるはず

奇なり

わざと高いヒールを選んだ
夜の空って嫌でもきれい
悪酔いと共に過ごす朝
デイ・アズ

望月色

夜が終わるまでは

桜月

あなたのてのひらはいつだってやさしくないひかりの中にある
くらがりがただの夜になる
結ばれる以外の運命でしか出会えない

NORZ

めのさめそうな色
つけた唇はなせない
さめるよ、いつかはね

蜷川

朝靄にきみが帯びた透明
夜の色をしらないままの瞼でいて

佐伯

毒は爪先から愛は指先から
イエロー・キッドの微笑み
やわらかな貌そして水あめ
神さまが垂らす幸福の秒針

流し込めば、すべては「終わらない朝」

イドラの指跡
運命ごと騙してみせよ
初夏よおまえはうつくしい

ほんだ

Midnight colored eyes.
A bad boy's waltz.
It never ends.

涙の海で溺れても
最果てには程遠く
仮粧(けわい)で隠して笑うのよ

詠美

舌に纏わるシュガーレス

青乃

あといくつ君を失えばしあわせに届く?

香雲

お利口さんは窓をあけない
そこに眠るための嘘があるだろ
碌でも苦でもない夜の住人
しあわせは美味しそうね
食われたいならそう言って
なんにもないけど空っぽでもないからだ
いま見たこともない最果てをみせたあなた
ゆめゆめ情などゆめみてならぬ
目には瞳をいのちにはこころをあの人にはわたしを
泣いておきてもハローユアワールド
どこまで行きましょうか手はつながずに
 
わたしとあなたの世界のどこにもない話

NORZ

目覚めよ、そして一献

水氷

アメニティ・ラヴ
ずっと月に届かないままね
アンサンブルとマドラー
涙は氷に適するか否か
イメージングカクテル
閉じたリキュールに君
メリーメリーナイトメア
ああシェイカーに恋を入れるなら

一星

くらいばかりがやみよじゃないさ
愛おしい過去の残照を
砕けた氷花は呑めば涙
幸せは時に絶望の味がする
ぼくらはおとなになったから

冷えた指先でなぞるように
キスで消えないものもある
いつの間にか、さようなら

水氷

青い珊瑚礁なら魔女がいるはず
愛を謳っても所詮ナイトメア・オブ・レッド
続報はシーツの中から

桜月

きみがわたしを孤独の惑星にする
背骨をわけあってふたり海になる
きえないものからまぼろしになってゆく

伊緒

朝焼けが照らす濡れ羽色の前髪
おはよう、の声が遠い
肌の匂いでくらくらするから
青い春ははるか遠く
いっとう深い瞳の色
夜の帳が下りたベランダにてもう一度
利己的な主張も宵闇なら捨てられず
行かないで、おつきさま
電話越しにつながる夜のほどろ
手のひらで包んで隠したあの夜の続き
藍より青い夜更けの空

奇なり

海水漬けの太陽まぶしい
夜と青の淡いの桃とそれから
今はみんな魔法使いだからなあ

佐伯

ニーラカンタの吐息
青い舌の夢で寝かせて
愛を忘れて一夜だけの春
手折れ青より不道徳な蜜蜂

一星

飲み干すその一滴まで
極夜に墜ちる十冠と天の穂
菫星も金青も空のスパンコール
心臓は夜底に置いてきた
特別にするなら十分だ

たかがびしょぬれの流星
シャララ・クローズン
見つけて差し上げましたのよ

望月色

瞳にとじこめてしまって

青乃

他愛のない話をしよう、胸にひとつ夜を携えて
あなたが手折る夜に咲く
あんまりにも君が青く笑うので

水氷

金曜日の仮想パーティ

蜷川

さわらないでまだ夜をくぐっているから

ワールドエンドにさんざめく星の
累々と、徒然と
いとけなき
この両目蓋が閉じるまで

どこでもない場所なら
この世の終わりが青の涯て
誰も知らないその先に

詠美

小指に絡む地平線

くつぞこ

背を這って殖える朝
透ける呪いで鎖されること
抱き締めるみたいに閉じ込めて

不実のなかで呼吸
孤独の水影がつめたい
脊椎ひとかけらスピネル
諦めても愛しても

望月色

ひきずりこむなら一人でいい

ほんだ

星屑をまぶしていただきます

香雲

染めあげるなら白なんて残さないで

逸子

海を見ているときだけは真実の真夜中だと言える
プルシャンブルーをつけた絵筆がカンバスに鷹を生む
ラムネ瓶の中で時間は止まっている
昼は青いくせして星を飲むからずるい子だ
海も空も青いものはみんな夜の神様の所有物だよ
「からだに時々夜が現れるの、いいでしょう。そう思うと痣だって悪くない」

香雲

奥のほうから掻きだして食べて
わるい子は白昼にはいない
理詰めの愛の捨て場所はそこ
はみだすくらい大きくしてよ
青白い爪ならその口で舐めて
さよなら夜のままで死んでおはよう

水氷

グラスのルージュに月影をうつしとる
人魚の涙は砕いても良い
丑三つ時の夜空をほどいたら
ベイリーズに混ぜ込んで口づけ
孤独と共にいただいて頂戴

伊緒

ロマンが破り捨てられるのはご勘弁
手を広げたくらいが私の手一杯
今一番行きたいのはあなたの隣なので
月並みの言葉のほうが欲しい
だって、あなた寂しくて死んじゃうでしょう?

奇なり

言い訳と気弱の炭酸が抜けていく
あったかベッド残して行けないや

ほんだ

目を背けた別世界
僕じゃ涙は救えない
ぬくもりだけを奪う唇
忘れ去るはずの君がいた

佐伯

あなたの星は瞳より深く遠い
つまらぬ愛ですが旅路のお供に
焔焼き切れるまではただ一つの涙
選べないどうかわたしを許さないで
月にいったら見つめすぎて泣いちゃう

7の静謐分けたげる
らせんには夏
おまえの地獄なら甘い
永遠を灼き尽くせ
百年のとばり

一星

このつま先は泳ぎ方をしらない
ジェリー・ビーンズはとろけない
胎内回帰なんてあまいゆめはみられない
おまえが視るその鉱石(いし)は鏡だから

R

居場所は空へおいてきた

面倒見のよい乳鉢
みるくゆにばーすって木目調
テトラ=テトリス=テトラリマス

ははあ、さては盗んじゃったね

くつぞこ

ひかりというひかりが檻になる
ミントフレーバー・アトモスフィア
途切れた夜を指で塞ぐ
あなたより遠い天体をしらない

逸子

あなたいけないひとね いとけないひとは好きよ
天秤はここにある。地上には君がいる。天には
螺旋を描いて沈黙の明け方
しずかな部屋で夕暮れまで待つ
静かの海にひとつ戦争がありました
それなら僕が月をあげるから
お返事ください、黄金色の便せんでお願いします
銀のカトラリーじゃ代用できないのかい
間違って太陽の中に取り残されたのに、今更

乳白色に微睡む
柔いだけならいらない
月より涯て先に

望月色

言霊のお墓みたいなところ
持ち込めるのは孤独だけ
儚いふりの石の塊
三日月を見失う
手を握ってもそこそこにさみしい
可視化した永遠
叫び終わったのに、もう

呪いが完成してしまう

蜷川

さみしいさみしい夜の骨組
なまぬるい肉と揺蕩う
魂にばつ印

一星

回遊する星の遥けきに
鰓呼吸できないから肺も凍るよ
サファイアを離れれば我らは霞

詠美

遠回りなんて大きらい

川の

今夜も明日もピザが食べたい

望月色

そんなプリンもなさそうなところ

桜月

軌道だってかえられないわたしたち
満ちる海はふたりをかくさない
とおいところでさよならをなくしてばかり
これでもかつては水晶だった
こころでもないのに傷つけられる
似たような星があの夜にあったね
不在ならきっと永遠になれたこと
ただしく言葉にしたらこうふくになる
理想郷のなかであなたの夢を咲かせて

香雲

この星のかけらを食べたので

香雲

さみしい場所だと聴いております
きみの吐いた息で生きてる
二七の夜では足りないので
エメラルドの海も枯れてしまった
落日のあとの色も違う
ビルのしたからみるだけでいいよ
なんてね帰り方をわすれたの

伊緒

憧憬にあふれた葬列
下から2番目の引出しに隠した手紙の束
手の中に握りしめた指輪
涙でできた真珠
幼いときに交わした約束
舟にはまだ乗らないでね
楽しい記憶も棺に入れて
理想郷でまた会おう

死がふたりを分かつまで、なんて嘘

佐伯

瞬きで恋する鱗
羽よりうまれた情
秘密の剥製が転んだ
約束の楽園に流れる蜜
揃えたかかとを違える日

桜月

木漏れ日があればそれだけで天国
かみさまだってせつないかたちをしている
ゆびさきを星でもないひかりに喩える
まぶたにまやかしばかりがちらばる
やわさにふれるたびあなたは天使になる

くつぞこ

こんなに甘いかなしいをくれる
まばゆさだけで正しいひと
星いちめんのとうめいな棘
舌先から順に羽になる病
胸が膿んで花を吐くまで

消失も閃光も渾天も

水氷

どうか生き物に戻りたい
星座線を辿る全ての獣たちへ
およそほとんどの酩酊を手に入れたいなら
さよならの暗喩

ひと塊の愛・す
イヤリングを失くしたからお友達にもなれた

ピルエット、血液、たったひとつのキス
アダムの肋骨
傷つける相手は選んであげる
いつか黒い炎がおまえを撃ち落とすそのときようやく恋に触れるだろう
累夜うそつき

雨は殯
星をとってくるよ
スピネルで喉を突く
月より涯て先に
遥か惑星にて君を待つ

ひとつになれる二人

ほんだ

もしくは永劫
そこにある空白
首輪にならぬ約束
解けぬ呪いを施そう
世俗に塗れた僕ですが
その意味を知らない果実

詠美

茨の王冠
柵も悦びも振り切って
傷付け合うのが本能ならば

scratch fate

R

かんばせに飾る言の葉もたざれど紅のひとつひかせておくれ

岡野

リビングデッドの哲学
嘘でできたペーパームーン
3000年前からゆうれいごっこ

奇なり

カビたパン
グラスが足りないね
カウンター席のけんあく
ラヴァーズ・エキシビション
無音に耐えうる恋人ではない

R

忘却に突きたてた牙・迷える仔羊のおしえ
愛なら噛み砕いておまえにあげる

蜷川

10回唱えてまぼろし
もうさわれない傷の手触り
手放したはずの感傷が尻尾をふっている
なにかしらの空白ひとつ、音もなく
24時の暗号
とけない、とけない、とけない、魔法

望月色

とじこめられた甘い殻

逸子

不変には美しく独特の窒息感がある
夜闇に縋る私が一番醜い
ひとの中に閉じ込められたい。そのひとの中で閉じた物語になれたら他には何もいらない。
雨が続く部屋の中でレコードをかけて眠りたい、朝が来るとともに死にたい、魚になんてなりたくない、生き物になんてなりたくない。無機物がいい。
遠くへ行かなければ。ずっと遠くに。
You are noble.

川の

慰めのうたもComic Sansじゃあね・・・
エレファントピア行き路線図
夜はまぶしいよ 靴下を忘れずに
ところで三角錐星は置いてあるんだろうね?

望月色

えらびそこなって、一瞬

望月色

90分から少しはみ出す

さわ

わたしたちが星屑になるまで

香雲

間違えましたじゃ許されない
だまって視線も香りもうるさいあなた
擦り傷切り傷にごきげんよう
きらいも知らない顔でわらうな

アメンボ

砂漠をひっくり返した砂時計
一杯の酒を飲む間そばにいて、それが駄目なら
きみと眠れば千と一夜分の夢が降る
あなたをいつまで愛せるかが計れます

悧子

そのあいだにべつのおはなしが死んでいく

桜月

いつまでだって運命になりきれない二等星
みつけられない焔がまたひとつまたたいて
うまれてはじめてきみのまなざしに海をみつけた
透かしただけの夜を遊泳する
いつかの庭に孤独もあなたもいらない

伊緒

まずはこのアルコールで滅菌します
せかいでひとり、きみだけだったのに。
燃える左の薬指
いたい、いたい、いかないで
さよなら、わたしの片割れ

瑠藤

過去はいつも横たわる
記憶の集積地
みずうみ
洗面台の認識
わたしは断絶している

佐伯

マリア・ローザの啜り泣き
いつか失われる体温が憎い
丁寧な信仰に死にゆく花弁
したたる雫のまろやかな嘘

奇なり

溺れるには頼りないけど
ラヴのビリビリどうか醒めないで
破れきった愛を未練がましく並べてつついた
わたしはわたしでこの幻を信じてみようと思う

水氷

夜ぐらいしか行き先がない
死神を医者に挿げ替えるな
もう二度と運命を結べない罪
上手におさけを飲めたのね
救いを切らしたら死にたい

エンド・ロール・カウント・ダウン
透明心中
悪辣とアポトーシス
くちびるを濡らす不道徳
望みの崖

紗帆

ひとりとふたりは愛が違う
外国訛りの生
いきどまる踵
もしかしなくても宝石
うまれかわりの種
双頭の咢
うしろゆびならさされています

一途なばけものになれよ
もどかしいな悔恨
結び目をやさしく引きちぎれ
しばらくは辰星のまねごと
故にこの夜から君は逃れられない

R

愛を謳えクリーチャー

ほんだ

幻想と空白だけを切り取った魂だけが受け入れぬまま

詠美

偽りでもないけれど心にもない
喉元過ぎれば渇きを覚える
痛みこそが世界の全て

placebo tears

蜷川

ティーカップを満たせないあなたのせつなさのために

R

モラトリアムの檻
朽ちゆくだけの記憶が痛い

望月色

にぎりかえしてくれるね

蜷川

角砂糖のかどがやわらかくなる頃
あなたと食べるために手放した月

香雲

あたかもあるように痛まないで心臓
いちばん最初になくした正解
わたしを半分にした世界がきょうもひかる
なかったことにできるくらいなら魔法なんていらない
Re;あした会おう

香雲

薬害性びまん性心身喪失無痛症

さわ

空白さえ失うかなしみ
かみさまをあがなうXdayより
おまえたちと盗み続けた傲慢
まだ足りずにいるものがたり

アメンボ

宵の雨に虹は期待できない
この傘にきっと意味はない
そもそも雨など降ってない
けれどお前ひとり濡らしてはおけない

ほんだ

零れる涙と吐息で感じて
抜け殻のような心でも
眠れぬ夜のまじない
枯れ果てた信仰心
深海を撫ぜるように
君の言葉じゃまだ甘い
いっそ心臓を突き刺して

くつぞこ

わたしのなかのあなただったところ
いつでも夢には歯形がついている
さよならが呼吸音に溶けていた
まだ生まれ直せない未来たち
ふくらんでいく濃彩に死す
つぶされた幸いの透明度
うまく永遠になれない
ただ饐えていくα星

塔子

なくなるいなくなる
あなたをとどめるための呪い

岡野

片足のブルース
ねじまき島心中未遂
ヴィナスは死んだ少女です
まっくろ血だまりけものみち
ななしの森で心臓は甘い薔薇

逸子

触れないで黙っておいてただ見ててこの脚はまだ倦んでいるのよ
紫陽花をちぎって変えたガーゼしか傷に触れない見つけられない
軆から薔薇を噴き出すひとがいる麻酔薬を刺さないばかりに
首に輪を指には花を脚に樹を栄養剤が鎮痛剤です
魂の双子になってくださいな貴方がいれば痛みも消える
そう泣くな欠けたぶんだけ澄んでいくお前はいずれ綺麗に代わる
飛行機を眺める人にアーモンド差し入れさせて薬と言いたい
俺の目はいつもどこかが狂っていてお前今夜は踊っているのか
あなたこそ致命傷ですわたしにはあなたは亡霊だから癒えない
打ち過ぎた麻酔のせいか夜だからそのどちらかが睡魔を呼んでる

逸子

人のものほど綺麗に見える
たったひとりの哀愁ですから
秒速快眠
箒星が墜つ
優しい怪物さん一緒に痛んであげる
六等星は日に日に死んでいく
しかし救いにだけは決してなりません
愛では充たない、羽根は生えない

佐伯

愛惜しか食えぬ魔物
プリズム集めて溺死

ほんだ

幻も鏡の前には写らない記憶と心が磨り減る前に
崩れ去る境界線で出迎えて過去ごと僕を殺してほしい