眩暈のワルツ
月もあなたを見ていない
かなしみの少ない夜、子守唄がパレードになる
蜷川
風にさらわれる類
冷たいのに赤いのは気のせい
残像に願望を重ねて
望月色
二秒だけなら海も止めよう
青くないなら咲いてはいけない
影とは本音のみ持つさだめ
二水
確かにないのにこの手に欲しい
ベールの影踏み
あなたのきれいな箸使い
詠美
それでもめざとくつかまえる
望月色
前髪にオーロラが隠れてしまうよ
ぼろぼろのプロポーズ集
ろくでもない慈愛
四季格納用シャムポケット
望んだ雨が迷子みたい
「明日になれば月も熟れるし」
揮発性の夢三分
マオ
木枯らしのようにわたしを連れ去って
朽ち葉色のコートは卸したて
傘の内側で降る秋雨前線、わたしの涙腺
月の灯じゃ寒いだけよ
癒依
涙彩スケッチ
ノルツ
月の裏側にだけある季節
塔子
泪膜のむこうにある最果て
綵初から嘘のなかにいた
艶も蜜もあなたの腹を満たさない
微睡みに浸透する
香雲
うさぎもひめもそこには御座す
高槻
昏れた幽暗の春
花弁、夏よ匂い立て
(はてきみはどこに)
冬は背後でわらっている
我が愛しのアルレッキーノ
ポラロイド宇宙
保護色につき行方不明
一星
おそらく永久の近く
250年ぶんの一日
見上げても終わらない
手が届かないふり
水氷
はじめもおわりもないところ
みさか
知らないを言い訳にしてる
希望が薄い寒さの中で
吐息だけがただしいなんてうそよ
霞んでいくのに鮮やかな赤
「ほどけてゆくのは幸福だって、そう言って」
綺麗なままの色ではいられない
だってこれがわたしたちのうつくしさだから
迷宮の中は透明になれるか
探さないための手記
一つ目のキスでゆめは冷めるはず
冬子
私のためのあいをころさないで
冬子
黄昏時にノックして
詠美
満ちて欠けるためのIだから
冬子
うそを育てて月に
あなたにだけつながる鼓動
冷たいままの手で
きみの目にとどまる
光と星と炎の意味を

ゆめで逢える日を待っている
虫食いどんぐりの覗き穴
七色のいちょうあつめ
秋の夜長、禁書の会
待って、それでは捕まらない
忘我の果ての景色
ローテンション・ブギ
しみいるアポトーシス
のみこめない嘘
朝の光で解ける魔法
君がいないと僕は
小松
ハチブンノサンで巡れ
一星
ひとりで語るには大きすぎる水たまり
冬子
木犀が雨の銀いろ映す夜
塔子
ふるい落としの銀河
まだ散っていない夜の音
墨夜紅葉
ローズクレイの空に逢える
時雨透䜌
覗きこむたび息を呑む
秋は終わるものでしょうか
香雲
磨りガラスの向こうがわにきみがみえる
冬子
音を聞くために宵を愛せよ
冬子
ゆめくいのばしょ
まだ見ぬ愛の演奏楽団
太陽に見つからないまま
水氷
結晶化待ち錦
どうせそのうち雪が葬る
化かされたような気分だ
夜影を纏うのなら秋がよい
あ子
摩訶不思議なすべてのこと
傍観者で居られなくなる鉱石の夜に
ロマンスの中で熱が蠢いてる
「しかたないよね、だってこれがワルツだから」
のろいの言葉がお似合いの季節
暗転し好転するわたしたちの運命
気安く導いたりしないでよね
冬子
まるで憂いの庭
ぼくとかみさまとおわらないはなし
炉の星、カシオペヤ
白い蜂蜜のようにこぼれる
岡野
落とした匂い袋を目印に
みさか
乳白色のかなしみにあかいろの孤独をひとさじ
冬子
飽きは来るよ、この尽きも知ってる、だけど話して、ずっと待ってたんだ
二水
とびらは雨
瞬いてもいいよ
ぼくだけの再構築
狼戻の目でみつけてよ
静けさだけを切り抜いて
昇らないのは月のしわざ
曖昧をさしあげる
傷つくための密度を
ましてや秋なわけもなく
忘失リボンで結ばれた
路面電車の分岐を握る
紙魚棲む仮宿
「NOT」で掬え
あちらの後悔からになります
きらいときれいの乱反射
二水
夕暮れ、後先の季節
フレームアウトオブイエロー
あなたに代える名詞
愛のかたちを日染めるなら
もうすぐ朝が凍ります
紗帆
とじこめてて きみだけの わたしだけの霞 これはとむらい
冬子
蒼然ばかりの地平
仮宿にはゆめばかり
水氷
瞬く間に過ぎゆく世界に
僕は君を探していていた
六花の匂いが似ていて
白が町を覆う頃
ノクターンがあざ笑う頃
新しい風はすぐそこまで
君が忘れた僕への忘却
R
うつくしくないたてがみの上
カシミヤよりも柔い支配
いつか獏も金色をして

( まぼろしは金の色 )
マオ
まばゆいばかりの慈しみで
凡才のなかにも光り輝く何かをみつけたくて
炉端に咲く赤い花だけ見てた
信用ならない視線の散弾銃
ノットイコールで結んじゃってよ
あまい嘘で骨の髄までだめにしていいよ
きみはまだ醒めないままのときめきを見てる
冬子
魔法じみた石英の紅
ぼくが恋を埋めたころ
路地裏、西日と硝子片、野良猫のあくび
しあわせには向かわない迷路
望みはいつも外套のポケットへ隠す
あなたの星は結べない
きっと誰もおぼろげでうつろな
あ子
三つの願いを千に増やす
躓けば金色の橋
目と唇の先
縷々と散らばって 頬も休めないって
ふやかし方間違えてた花
許すも何も好きでもない君に
すじゅ
間違いないって証明して
ぼやけてもそらせない
路傍のプリズム
深淵に似ている
脳髄まで凍れ
歩んだ跡が星を砕く
綺麗ごとばかりお言いでないよ
一星
まよいみち
ぼくのみち
ロザリオに
しのぶあき
ノエルのひ
あかいみち
きみのみち
みさか
いつだってこの色は痛みを伴う
冬子
霜葉の心は頬より赤く
滲む凩の孤独
兎が跳んだ、黄金に消えた
いつだって透色の恋
鳩羽
さみしさはまちがいじゃない
冬子
それすら許されないのならいっそ二人消えてしまえたらいいのにね
R
待ち合わせをゆるして
ぼやけた月と追いかけっこ
ローテーション通りなら逢えますか
しあわせも白い息も連れ去って行くから
ノッポで良いのか悪いのか
明け方の特等席
きみを置いていく約束
詠美
マロングラッセ、一口ぺろり
僕のブリキの宝箱
蝋燭と彷徨うゆうべ
四分音符の足取り
ノーザンクロスの移し火
朝霜立会人
きずなにあいたい
十月桜に色を足す
憂鬱って言葉を春は知らない
うつくしのかけらばかり
あなたの口の中で花ひらく
夏から種をひろう
一度だって触れたりしなかった
香雲
まちがいを嫌え
きぼうが好き、ずっと好き
ヒーローだけに赦される
おかえしにキスをあげてよ
まぼろしの秋は知ってる?
いまずっとあさを視てた
ななめ上からきみを射る!
待っていかないで連れてって
僕と君の初めまして
路地に消えたのあの子
白いコートで雨避け
喉で潰した「すき」
「明日天気になあれ」
狐が望んだはれの日
鳩羽
マゼンタの痣
ボールペンじゃ駄目
ロシアンルーレット
シリアルすら共にできない
ノエルの約束何番目
アールグレイと結露
キスしてもいいよ
鳩羽
またね、って押し当てた指先
ぼろきれになったら愛してくれる
ろくでもない残花
しとどに濡れたら?
のどもと当てるは錆刀
あばずれごっこの嘘っぱち
きたね、って笑ってくれよ口元
ぱちんと弾けし水風船 溢れ零るる秋情(あきごころ)
煙路(えんろ)辿りてかじかむたが背 照らす井戸端落ち葉焚き
破れぬほおずき脈を巡らす 貫き通せば嘘は真?
種を吐き出し膨らむ衝動
日入り果てて鼓動を聞く/風音に混じりて月の名を聞く
枯野のススキは誰のせきとう(石塔/赤橙)
水浅葱
午睡の縁
モンブラン事変
夜がせっかち
繋ぐ手の熱
暁降ち
鳩羽
ススキ幽霊
握り拳で笑うひと
星の光と僕らの距離
鳩羽
なぜ降ることをやめないの
病めいたまなざしがおまえ
真心では孵らないという卵
しくじりはいつも誰かの蜜
いよいよぼくはなやましい
あ子
眠気と言う幻に絡めとられた昨晩
望月色
目覚めしすべての糸繰りよ
目覚めよ!の声とともに繰り出されし張り手よ
目覚めてる目覚めてる痛い痛いとの弁明など聞こえぬ
目覚めよ!目覚めよ!目覚めよ!
寝よ
二水
明晰夢が降り積もり、あなたは私の中にいない
蜷川
一等灼け焦げるその様
湖紋深暮
ぼくらが捨ててきた情
そのままでは消えていくしるし
最後に涙が凍るの
春と融けるサファイア
罪をぬりつぶすきらめき
香雲
四季がきみばかりをうつくしいというので
その指先に触れれば、誰も彼もが褪せていく
死を幾度も数えた絵本
逢坂
もういいよが聞こえない
ノルツ
夕焼けにまどろむ羊
水氷
ちいさな庭
ノルツ
一等星に墜落
追憶と薄情
永遠なら海に沈めた
純潔はまぼろしとともに放逐
ありがとうの秋
みさか
誓いのキスは君も知らない
望月色
摩訶不思議リロード中
墓碑なんてありません
ロジカルは霧中
終焉不在証明書
ノートで踊った無色透明
あかない風景画
きがないきがつかない
水氷
標本みたいにうつくしいひと
詩片を並べて眠るだけ
蜷川
まぼろしばかり探知する
まぼろしは襞をもつ
まぼろしだったら上手く愛せた
まぼろしの劈開性
まぼろしよりも薄い膜
マオ
まぼろしだったはずのもの
ぼやけた大三角の真ん中に
六等星の終りの瞬きが散る
死にたがりのダイヤモンド
野ざらしにされた北の極星
アルデバランに撃ち抜かれ
きれいな幻想を観測した夜
あ子
ネバーランドは悲劇
ノルツ
目を合わせない僕と目を合わせられない君
忘れないでなんて泣かないよ
思い出してなんて笑わないで
君が好きなあの季節が憎い
悪いのは僕か君か
それとも?
R
想う想われない
望月色
ぬるい温度のさみしさがのどをすべる
ただ一度の 逢瀬は忘れぬ あきの道
今となっては まぼろしのよう
みさか
幻よ夢に拐かされよ
乃木坂、振り向き給え
秋寄せ別つ袂へ
折り目正しく乞う暇
日和見嘲るその笑窪
滔々語るは縁ある所
綴れば顔染め上げし
幾度も数えん紅涙の
葛連なるそのイデア
伽藍堂へのささやき
水浅葱
シチハチクの回歴
エイム・フォー・マロウ
藍のしずくが集まってきたね
奇なり
蝋燭の出現
ノルツ
鋭敏な目
なかば消えたすすり泣き
耳の奥の歌のいろ
しのびやかな心の裏側
あなたのきっぱりした物言いほど
さりげなく苦悶を語る
惑いなく慰めをみる
月白
幻がぶれるだなんてなんて馬鹿なこと
望月色
幻視夜光路
蜷川
荒涼のプール
雷鳴の名手
まぼろしの漂着
シンバル
マスカレイド・スコープ
ボーイ・ミーツ・ムーン
ローリング・スターズ
シー・インサイド
ノクターン・ダウン
アルカディア・フロム・フォール
キッドナップ・ドロップ

masquerade scope
boy meets moon
rolling stars
sea inside
nocturne dawn
arcadia from fall
kidnap drop
塔子
あなたのうたは肌寒い
ノルツ
氷漬けの炎
望月色
月揺れ夜に雫落つ
二水
声がしたような気がして
寝ぼけ眼をこすっても
まぼろしさえもみれぬ秋の夜
みさか
死者が見棄てた国
ノルツ
傷ついた吐息
白に変わる前に
零夜
やわらかなゆめのさなか
まだあいせている
しろいそらとひかる
さまよってうそつき
のざらしのほねたち
ふみしだかれるおくりび
ゆるやかにエンドマーク
香雲
ふきだしを勝手に埋める
幻の火は消えない
望月色
青空くらい造っておくれ
恋と遭わない方の道
あなたも膿んでしまうのですね
入道雲をグラスに盛って
ただのうそだよ、おまじないなんかじゃないよ
ちちんぷいぷい、あの子になあれ
二水
不幸せななみだ
ほしぞらはにじんだ
もうなにもないよ
待ってと呼び止めた声に
零夜
きみは必ず春に咲くのに
ノルツ
きみのためにあるかぎりの
祈願のきれぎれ
物語るように冷たくためらう
新しく咲かねばならない
月白
栗拾えなかった
毒林檎の糖度
月を見たかぼちゃ
ここはくるみの殻の中
蜷川
秋は地に伏す
望月色
月色の皿の上で建国
頂には砂糖漬けのお城
おごそかに夜会
王様は艶めく茶色がお好き
白の婦人が木枯らしを誘うので
夜な夜な彷徨うマロンの亡霊
ここに永い季節が眠る
クリームの山肌が月光を掠め取る
無意味な冷たさで静粛に
引き摺るローブの跡だけ残して
王国のおわりは真鍮のフォークより
お城は割れて真っ二つ
(モンブラン王国)
いちか
チャイムが鳴ればいつもの教室
藻浮かぶプールに波紋ひとつ
図書室でマッチをかざす
彷徨う影は学びたがっていた
黒板の端には断末魔
教卓に誰も立たないまま朗読は始まった
校庭の声に振り向いたらさようなら
(日曜日の学校)
二水
眠る前に真実ひとつ
花の夢など潰れてしまえ
いつまでいつまでも、その限りが少しでも長くあるように
千瑞
祈りは紺碧の空へ
二次元対三次元
ノルツ
雪がとけただけだよ泣くわけないよ
二水
まほらロカイユ
マオ
澄みゆく夜長を停められず
二水
小さい秋見失った
望月色
指先からとろけて、きえる
ゆらめく呼び声の温度
きみ暮れる
光に縫われていく橙
ぼくのなかの綿は
水に溶いた青を浸して
ビニール袋に詰めました
あの星が氷になるまでに
きみと恋の話がしたかった
ヌヌ融けゆくよ
ぼくのかたちホロホロ
耐光性の釦をひとつ
きみの喉につっかえますように
くるくるおどる朝と夕
痛みどめに思いだして
ぼくの耳が丸かったこと

(閃光針と金星BEAR)
いよむ
透ける幽霊のうわさ
いろの
僕らの歪なユートピア
あどけなさは有限で、今はもうない
灯るトパーズは摘まれた
詠美
硝子越しのひかる天上
神さまが文字をリボンにした夜に
ぼくらは星を名付け始めた
マオ
骨まできんいろ炎
春の朧を乞うても未だ
黄昏詰めて満ちた月
伝う雫に冬を諦め
夢なら泣かずにすみました
二水
ランプシェードのおまじない
ゆらゆら揺れる交霊会
誰かの魂が燃えるにおい
きれいな石をみっつ持って来てね
お月さまの噛み合いごっこ
ひたひたと夜が床を這う
いちか
針葉樹が焦りそう
水氷
ヨーグルトの湖みつめる右うしろ光の寝言
いよむ
真夜中の中心
絢爛に隙間風
ヴェールをどうぞ
感光する記憶
鯨と夢を行く
種族の感覚
あざやかな地層
目印は秋
シンバル
ワイングラスの底を舐め合うだけでは物足りない
いちか
マゼンタの胸鰭がひるがえる
帽子を投げてよ、前から二列目
ろうそくもフォグランプも目蓋をおろす
渋皮付きブローチ
野菊の上をあらゆる種類の靴が過ぎてく
秋りんごくふくふ笑うね
記憶よりずっと真面目な筆記をようやく
佐和子
秋降る天蓋
夜を綴る言語
鍵はなく扉もない
星より速く捕まえて
すべてはまぼろしのせい
蜷川
うまれもせずに眠っている
つまりこの心は言葉をもたないのです
背骨のすきまは君の指しろ
緑けぶる朝に
にくまずとも生きている
花に埋もれたあの冬は
類想恋譜
香雲
優しい海、あまねく潮騒
ユーフォリック・ユートピア(euphoric Utopia)
憐れみがあなたに近づく条件
千瑞
色降る季節
まもなく流星
切り取り視線
きみと種を違えても
紗帆
待ってる、見つかるまで
ボナセーラ、やがて去りゆく灰色よ
ろうそく揺らめき、橙と桃
死のかおりの訪れと、再生の息吹は遠し
飲めよ歌えよ、声は清かに鳴り響く
あつめた落ち葉の裏側、燃える永遠
キスする理由、うすしろの吐息
せつや
真朱の熱
牡丹色の眼差し
路考茶の影鬼
猩々緋が笑う
熨斗目花の幕間
退紅の埋め火
伽羅の共鳴
鳩羽
秋を愛する僕ら
水を切る石になりたかった
冴ゆる水際飛べぬこの足
えくぼの意味
よくばりは卒業するから
鳩羽
朝日が泣いた水辺
きみがしんだと小鳥がゆうよ
高槻
エメラルド服役
ディレイ、探せないレーザービーム
きみが連れてくる花柄のまぼろしが、何百年経ってもぼくを水に変える唯一の光です
マオ
恒河沙の瞳
季節はずれのくちづけ
煮崩れしちゃったアポカリプス
まなうらの魑魅魍魎
哲学するけだもの
ムムリクの血は季節の底で流れている
夜もすがらという名のきみ
ざらめ
ことばにとどかぬ戀よ君よ
シンバル
まじなうまぼろしに火が灯る
意識の内側へお出でなさい
誰も知らない気配に宿りましょう
砂糖漬けの木の実を宝石に変えるため
秘密は正しく月光にくべる
ようこそここは夜の人形劇場
いちか
とどかない子どもだと笑って
袖は切り捨て裾は破った
おなか、証じゃない私をみてよ
壊れちゃいけない決まりなんてないから
ぜんぶ秋のせいにすればいい
「ね?」
所詮日時計の持ち物
子供に見えない大人に聞けない老人たちには触れない
水氷
血の通った拒絶
金銀錦じゃ満たないお椀
皮下で鎖がじゃれあうようね
そんなにぼくが嫌いなの
くるおしい海にざぶん
さまよいでたらもうきっと
いまなら無知をえらぶだろう
呑みほすためにお砂糖をほら
なみだのひと粒だってひろってあげない
爪先は嘘がつけない
香雲
行こう、美女の眠る森へ
死角に回れ!影に隠れろ!!
夢でも幻でもない、残像だ
君を求めて来たんだよ
紛れもなく美女でよかった
おやすみのキスと区別して起きろ
望月色
わたしが育てたやわらかな獣
ざらめ
さよならのあとの家路
シンバル
おさなごの信仰をあざけり笑う
いちいちの目の涙のひと粒ひと粒
二つめが生まれた日
それはむつき以上の存在
もろもろの天をぼろぼろに引き裂く
真昼の領分に住む人
月白
十五の秋が終わるね
収穫間際の畑を踏みしだいて描いた魔法陣
火をつけたら行進する炎はまるで弔いのようだった
頭の上に輪っかを浮かべた人型が昇っていくのを見上げている
秋の夕暮れは美しすぎてフィクションみたいだね
世界には透明のフィルムが幾重にも折り重なっている
芋づる式に掘り起こされていく君と君
収穫祭
今晩は何かあたたかいものを食べようね
縫子
あなたを、わたしを護るため
ノルツ
節穴とて光を通す
ノルツ
魔法使いの手は借りない
ボロ雑巾になるまで
廊下は端までピッカピカ
詩人の感性をグズグズにする
呪われたらどうしよう
朝まで待ってそれから頼ろう
綺麗にしてから聞いてくれ
望月色

誰か
誰だ?
誰かだ
誰からも
誰なんだ?
誰でもいいか
誰でもいいなら
誰でもいいんなら
誰か月を隠してくれ
望月色
まぼろしの生態
ぼんやりしている隙間もなく
ろくでなしたちの秘密の裏庭
視線の先、その夜の中
野の草葉には陰ばかり
あの日もこの日ももう来ない
君を暦の下で待つ
蜷川
優しい人間なんていない
いるのは優しいフリをするのが上手な人
わたしのなにもかもを知りたがるくせに
あなたは何一つとして与えてはくれない
それを分かって尚も焦がれるこのわたし
とみ
まほろばの黄金色の海
暴力的な季節
楼蘭のミイラは夢を見るか
しじまへのカウントダウン
野花の衣替え
茜色の夢を見る
君に染めて欲しかった
今井かかぼ
酸いも甘いも独り占め
ノルツ
目を凝らすほどぼやける
透き通った冷たさ
春へ向かう為
10回に1回会える
裏の顔はへのへのもへじ
幻だって人を騙せる
君が生やした草を食み、
笑い穴は地下二階
説明はいらない
醤油だよ、ソースじゃない
ひとつくらい絶対をください
10回に9回君のこと想ってる

(まぼろしの秋の皮)
まぼろしの秋は俺が守る
望月色
花嫁のうなじ
いよむ
神の行き来に気づかぬまま、心を亡くす
今井
こかげのまたたきに君を見る
赤い実つぶして泣く
訪れたまぼろしと秋
過ぎ去るのを、見ているだけで良い
奇なり
まどろみゆく国土
凡庸さはまとを射る
濾過されえぬ凍土
しげみの中の熱
残り日は瞳を食った
安息に残りなく身をゆだね
希薄な思念のかいな
月白
かなた攫われていく景色
紅、紅、紅、紅
パスポートは未だ染まらず
泥舟一輪
からくさトンネル
絵画の君と戯画の僕
「どうして触れられないんだろうか」
金色は夜叉だという
爪先におぼろ色
それはただの恋だった
魔法使いは甘いのが好き
ノルツ
また、来年
望郷にかられる
蝋燭の灯り一つ
死人よ舞い踊れ
野茨の尊厳
あの空、遠く高く
綺麗事で飾り立てて
今井かかぼ
裏庭で春を待つ人
匙を投げるには早すぎる
はずれもあたりもお探しください
二人だけで隠れてる
4日後のさよなら
触れると見えなくなるけれど
滑っても滑っても立つ
こちらへどうぞ、可愛い人
春のまぼろしが見える
望月色
古いばかりの背中
壊れた蛋白石
うろ覚えでもさざんかは咲く
月のしん臓
残り火から生まれた魔法
ちいさな夜を従えて
大丈夫、もう死んじゃってもいいよ
ざらめ
無神経な奥歯
望月色
帽子を忘れた記念日
ノルツ
最初はミルクを飲みたいだけだった
二水
眠りがまひるを連れたまま
日うらに横たわる思慕
ハルモニアの迷い水路
エクレールの被毛の如し
「月がお化けみたいなの」
シャンティリーは砂糖がけの白亜
きみが人魚であったとき

( うしろのまぼろし )
マオ
ぜんぶ食べて仕舞ったよ
せつや
私を疑わないで
望月色
ちいさな嘘もゆるされたい
寂しいならホットコーヒーを飲めよ
シャーレで培養中の恋心
はちみつ漬けの言葉ならいらない
爪のうらがわではまだ金木犀が香っている
うた子
碌にさがしもしないで
ノルツ
きみを傷つけるだけの朝は
ゆめをみていたんだね
箱庭よりも儚いままで
エリジウム、それは
つるばみのよみがえり
雨はまだ遠く
雷よ、夜を穿て
最後まで秋を聞いてた
ナイティアーハイク
冬よ喜んで移ろおう
流星なかて
天文秋海棠
奇なり
儚いものに触れてみたい
望月色
移ろうことが罪なら
苔むす石と幼子の手
今井
まほろばと冷ゆ
ふゆこ
仕掛けた方がうろたえる
ノルツ
迷子のきつね
煩悩肥大症候群
臘月が忍び寄る
真珠色の雲海
今井
手帳に描いた赤いまる、その翌日のおはなし
月光に刺されて
二水
そこに声はない
水氷
あなたといたかった季節
きみがいなかった時間
ふたりで食べたまぼろし
紗帆
まるで恋してるみたいに
ぼやけさせたその相貌
濾過されないひかり
静かにすると沈んでしまう
覗けば、それらしい世界
雨に紛れて季節も変わるし
君も記憶の残骸になる
蜷川
わずらうのはくるしい幸福
言葉にするには足りなくて、それでも伝えたくて
このAIはロックされているためアップデートできません
幾百年経っても褪せるものか
刹那を墓場まで
一星
さよならだけがひた走る
陽のひかりがどんどんにぶくなる
サコ
迷子だけが辿り着く
ぼうやよいこだおかえりな
路地裏に潜む冬至
シーラカンスのすみか
のべつまくなし秋の夜
あまねく知られど語られず
北風ばかりが損をする
水氷
愛の言葉が他人事
冬子
真水じゃなきゃ見えない真実
ボロボロになっても愛してるって言いなよ?
路頭に迷ってる猫のような瞳
親愛なる他人様へ
ノクターンを真昼に
浅はかな物語りでもはじめよっか
聞かせて下さい、貴方のなにものでもない孤独を
冬子
学ばないつまさき、勤勉な心
凡人だからしんじゃいたいんじゃん
牢屋の中に閉じ込めといて下さい遅すぎた懺悔なんて
知らない振りが極端に上手でした
飲み込めないほどの鮮やかな心
甘さだけが夜に染みてく気がしてた
消えないための標本室
冬子
正円が楕円になって
歪みは崩落となって
それでもあなたは、ここにいて
せつや
魔悪を振りきれず
帽子を脱げば戻れましょう
ロストエンドシティ
詞花を手折って嘘を摘んで
脳と唇の違いを答えよ
空いて吹く風もある
幾何学模様のお便り

(まぼろしの秋:謡われるべき悲劇)
二水
ちぎり月
湖面にふれるノクターン
さようならはあまく
まぼろしのゆめで踊る
一日もなく一世もなく
まほらはきみの吐き出した煙のむこうに
いくら幸せをまとってみても、あなたはわたしのもとへは来ない
アルカリ性の彼女の涙は甘いらしい
夢の中で愛してるって言ってくれたじゃん。ウソツキ
宇宙にはさよならしかないんだよ
うた子
「ぼ」はどうあがいてもボラギノールの「ぼ」
二水
勘弁してくれ
たとえようもなくて困る
いつか魂が摩滅するまで
月白
夜の中で封じられていたい
茜色の鉱石じゃ君には敵わないや
「このまま夢で終わらせるつもり?」
心の奥深いところに触れて見せてよ、今すぐに
微熱と高熱の間をさまよってる
まあるい関係には飽き飽きしたわ
紅葉するみたいに染められていく 不愉快なくらいの愉快
どん底まで突き落としてくれなきゃ、恋とも愛とも呼べない場所へ
始まるために終わらせて、終わらないために始めるの
何があっても離さないでって映画みたいに囁いてよ
好きの分類、間違えないでね
ここはときめきの境界線
冬子
触れるために溶けた境界
ひとりを嫌う人の温もり
蜷川
手は繋ぐけど、それだけ 
まぼろしや友愛
影踏み込んで不信エリヤ
おもかげが真っ黒だもんな
それが秋に在ったのかは、
指の間から覗き見るしか、
術がない
奇なり
彼のにおいも知らないままに
望月色
一緒にいるための約束じゃなくて今日一緒にいたいだけ
心臓摘出を本気で考えているよ
兄弟になんかなれやしないぞ
目が合うのに理由なんていらなかったはずでしょう
化石になってしまえばおなじ
最初の裏切り者として
戻りたいのはあの日じゃなくて
あいしています、我が子のように
二水
あなたとおちるために手をつないだ
指先でなぜるただひとつ
約束しないって約束して
崩落のきらめき
呼吸する記憶
おわかれの合図
宝石になれないわたしたち
地獄未満
シンバル
約束のいらない人
口実がないからこまる
夜のお相手探し
ふたりになれないひとりとひとり
サコ
やわい肌と、拒絶を知らぬきみの心臓

冷めきった温度を屠るまで愛して

剥いだ責任
せつや
前例のないひとりたち
赤い糸にて斯く騙りき
アシンメトリーを許してよ
熟せないのに秋のふり
水氷
咀嚼した名前の甘さで百年生きる
お砂糖のまきびし
ほかの誰にもかがやかないで
春を纏う膚
愛情の化け物
胸の襞は焦げるのに
「わたしだけの呪いになって」
マオ
さむがりのすきまを埋める
本当は手も握れない
気まずい空気のような人
友情は背中を押さない
むくむくゆらゆら、影はひとつ
望月色
今日からここが貴方の檻
未完成じゃ終わらせない
残りもいつか取りに来てね
届かない分の背伸びをひとつ
長い季節の終わりのにおい
理屈ではじゅうぶん知ってる
有言不実行、平気なふりがおじょうずね
罰ゲームに永遠感じてるって言ったら笑う?
この薄ら寒い感情の中で恋して
簡単に知り得ない君の全て
冬の前の静けさであって欲しい
隠れていく激情
奈落の淵、黄色い線の内側でどうぞ
あなたの色を独り占め
冬子
かつてのそのまなご
底に落ちる灯心
針のない時計
泡立つものをけどりながら
細い雨のようないつくしみに
曲がり角を秘めた距離
濡れなさい、しかし
気づき方と、誘い方と、狩り方を教えるから
月白
結論、ひとつの季節を越えれば芽吹く立ち位置

この冬は寒さを知らずに居られるね?

尊さの白を君に贈ろう
せつや
魔法はとけないから魔法なのだ
ぼやけて滲んででも消えない
路頭に迷いあなたに迷う
四肢は求めていたけれど
逃れ火に叫ぶ
悪魔にだって神はいるのに
きれいでやわらかいものはぜんぶ食べることにした
二水
ひとかけら拾えなかったね

運命じゃないから赤い糸は、結ぼう

秋の運命じゃ、ないだけ(冷えて固まる故意なのです)
せつや
むしり取った夜明け
思い出が裾からほつれて行く
潜水艦の気まぐれ
心臓よりも高い位置ではくちづけないで
もう二度と孵れない
きみのために毛皮となろう
野晒しのまつげ
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛  あぁ きみの頬は冷たいなぁ
ざらめ
期待外れの清涼感
君のひどくあたたかいところ
小声のかぎり
暖を取る天才
今日は帰っちゃいけません
ここにはいない人
残り香と残像で30分くらい騙せる
望月色
ぼくは強欲だから
こころは傷口になりました
あのね、寒くても手を繋がないってことよ
恋終情了
ふれる温度が募るまえに
香雲
環をはめる契約でもいいかな

来年のその先、埋めるまで待たないで

暗い土の裏側に座す

嗚呼、それは、二度と還らぬ恋人禁止令
せつや
歌わないなら死ね
もうおまえの飴の味をおぼえたよ
疑ってやしないけど
さいごまで美しいだけの
嘘の下手なおんな
運命さえ意のままにする
嘆きの喜劇
荒野の果てで
恋のサイハテ
これは欲望が建てた家
あらゆるヴィナスの輝き
いつか私の破片を食べて
そのなみだ、崇高につき
この世界は愛に飢えている
恋人たちのお皿とスプーン
この愛は渇き切ってしまって、もはや感情も考察もない
岡野
わすれないで、巣食ったのは私

それすら一足飛びだったのか

干からびた心臓飲み干して、これは愛ねと涙する

爪を切らせて頂戴
せつや
ラ・テンペランツァ(きみの奔放を差し引きする僕)

とばりの奥の湧水で満たせよ
せつや
別れの朝が来ない
冬はたったのひとつまみだけ
そういえば足跡が無いね
ここにさよならはいません
水氷
きみじゃ秋にはなれないよ
冬子
じゅんばんをつけないで
きみをうたがうの何度目だろう
冷凍保存してあとでおねがい
綴じるチャンスはもうすぎた
呼吸、星落、半秒、D.C.
香雲
隠したかったのは君への疚しさだったけど
せつや
フォイーユモルトの幼い悪魔
ぼろぼろのオルゴール
紙魚になった人魚
ユニコーンが愛した残骸
ほんとうは生き延びたいぬばたま

まほろばの永久凍土、いつか夢より先に終わってしまう
ざらめ
朝が始まる音が聞こえる
望月色
幾億の明日を明日に縫い留めて
同じ角度の月を見るまで
マオ
のろわれたならまた会える
秋の後ろの正面で
塔子
まるさんかくほし
ぼくら影にもなれないみたい
ろくでなしはくるしい
しずかに、月が閉じるよ
塔子
さびれた場所を愛してる
望月色
なんて時期の悪い休暇
愛したものでつないでいこう
いたわりといたぶり
少しだけくやしい笑顔
カラーチャートガールズ
閉口主義(されど物見遊山の趣)
減っては増えてく宝物
こころばかり見るの
扉は開いているのだと知った
きっと、終わらない約束
今はまだまぼろしじゃない
望月色
こうもり傘の詩人
いつだってふたりのための月に叢雲
ひとり残らず花となれ
時雨れる指先
ぼくのこころは蚤の市にあるよ
エフェメラルのかけら
かあさん、どうかもういちど雪と墨のあいだで生んでくれ
ざらめ
呼吸さえ止まればきっとたぶん好きでいられた
ざらめ
わたしお稲荷さんの鳥居になる
ざらめ
朝日に溶けちゃうその前に
秋というまぼろしの怪物をしとめ損ねたぼくたちは
いつか忘れるかがやきへ縋りつくしかできず
空白ひとつぶんのキスをした
ざらめ
今ならまだ間に合う
怪物は何人?
爪痕だらけのだらしない背中
便利な言葉に縋って失う
まぼろしが掻き消える前に
呪文に力はありません
望月色
昨日の醤油派は今日のソース派
望月色
さよならのさが錆びつく前に
知りたいことは知らない言葉
好きも嫌いも掬えるみたい
背骨が世界を支えてくれる
そういえばそんなまぼろしだった
蜷川
スイッチ一つで攻め入って
スイッチ二つで君の虜
スイッチ三つで目が合って
スイッチ二つで異世界へ
スイッチ四つで化かされて
スイッチを押す指を取られる
望月色
野に放たれた日常
ノルツ
答えのつもりでヒントにも満たないことをひたすら呟く
望月色
Hello,Colour
黄金色の不思議の国
星巡りのペガスス
わたしの名を呼んで(あなたの声で)
岡野
欲しかったものだけ集めてできたガラクタ
要らない方のお城
星に名前をつけたばかりに
二水
ごわごわとした夜の淵
あたためすぎたたまごの行く末
寂れた空き地でおもちゃの指輪と遊んでた
おなかがすいたら泣いてもいいよ

the evergreen classic you.
ざらめ
きみの中の白妙をちょうだい
ざらめ
化け物は考えた
夕間暮れが飛び交う街で
どうすればあの子をまぼろしにできるのか

腐るばかりの背表紙の内側
目はいくつもあるのに答えはまるで見つからない
捕まえるための指はもう焼け落ちた

もう繰り返し夢を見ることだけが精一杯の、
ざらめ
虫喰いのゆめうつつ
ジョーカー・ハーヴェスト
半透明の行方不明
幽霊船が飛んでゆく
月がまいごになったとしても
「わたしたちは形ある確かなまぼろし」
マオ
少年は明日にしか生きられない
思い出はにびいろに降る
不可避にするため三拍子
さいわいの幻
きみの屈折を見ることができない
あらゆる愛は嘘で貫く
乙女心とさそりの毒を、平等にあわせ持つ
みせかけの葬送とわかっているよ
黄金を煮詰めた抜け殻
せつや
まばゆいばかりのよみがえり
見上げれば寂莫
やわらか仕上げの不幸です
逢坂
魔法の失い方
忘却と喪失
ろうそくのひととせ
生涯の夢
ノートに仕舞ったフェアリー・テイル
朝を隠した黄昏が言うには
傷口なら銀杏のように
逢坂
限られた永遠をめくる
二水
今日を閉じ夢を書く
泥の中でまどろむ詩篇
揺れる季節を追い抜いて
まぼろしだったわたしたち
蜷川
まぼろしの動向
望月色
ぜんぶまぼろしだといってください
二水
泣けないくらいにしか愛せなかったのが私の敗因
冬子
きせきをなぞる
紅色した冬行きの切符握りしめて
まぼろしでも永遠になりたい
一星
まぼろしで丁度いいくらいの 嘘をおくれよ
冬子
隣同士で殺し合うあか
冬子
今日も秋です明日は春です
お急ぎください、冬が追いついてしまいます
朝にならぬよう鍵かけて
あなたが幻ならわたしは夢になりましょう
夢にまでみた嘘ひとつ
二水
恋文を待っている
望月色
贈るためのリボンがないの
二水
マドンナさんの自戒
僕は幽霊見習いさ
肋骨を弦に見立てても
白白と空空から生まれた
野良のまぼろしの尾を掴む
生憎落下傘の用意はありません
輝石と廃材
あますとこなくきみのもの
水氷
現像と幻像の間
みさか
待ちわびた恋文を読む
大好きだって伝えたい
言葉も気持ちもまぼろしの内
望月色
季節ひとつぶんの心臓が止まる夜
ざらめ
さよならを待つ
腕時計のついた手首ごと奪ってしまえば
秒針泥棒
(23:59)
二水
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